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イラン裁判所、ノーベル平和賞受賞者に禁固刑、弾圧続く

裁判は北東部マシュハドの裁判所で7日に行われ、国家安全に対する結集・共謀の罪で6年、さらに政府へのプロパガンダ活動の罪で1年6カ月の禁固刑が言い渡された。
イラン、ノーベル平和賞を受賞した女性人権活動家のナルゲス・モハンマディ氏(AP通信)

イランの人権活動家で2023年にノーベル平和賞を受賞したモハンマディ(Narges Mohammadi)氏が新たな裁判により7年を超える禁固刑を言い渡され、再び長期の収監を強いられる見通しとなった。支持者らが8日に発表した声明で判明した。モハンマディ氏はこれまでにも度重なる投獄と釈放を経験しており、人権擁護活動を巡るイラン当局との対立が一段と深刻化している。

裁判は北東部マシュハドの裁判所で7日に行われ、国家安全に対する結集・共謀の罪で6年、さらに政府へのプロパガンダ活動の罪で1年6カ月の禁固刑が言い渡された。これらの刑に加え、2年間の渡航禁止処分も併せて科されると、モハンマディ氏の弁護士が明かした。イランの法律では刑期は同時に執行され、最長の刑期が適用される。

モハンマディ氏は2000年代初頭から女性の権利や死刑廃止をはじめ、政治的自由の拡大を求める活動を行ってきた人物で、これまでに何度も逮捕・有罪判決を受けている。2023年のノーベル平和賞はこのような長年の人権擁護活動が評価され、受賞当時も収監中だったため、子どもたちが代理で授賞式に出席した。

今回の有罪判決はモハンマディ氏が12月12日に人権派弁護士の追悼式典で死因を疑問視し、当局を批判したことに端を発する。式典における発言や行動が当局に「秩序の破壊」とみなされ、治安維持を妨げたとして逮捕・起訴された。支持者らによると、モハンマディ氏は拘束中、数週間にわたって完全隔離状態に置かれ、その後2月初旬まで約1週間ハンガーストライキを行っていたという。

モハンマディ氏は53歳で、長期にわたる投獄や健康上の問題を抱えている。これまでに収監中に心臓発作を複数回起こしたほか、骨に腫瘍が見つかり手術を受けるなど健康状態が懸念されている。支持者らは今回の判決を受け、西側諸国や国際機関に対して同氏への支援や保護を求める声を強めている。

モハンマディ氏への新たな刑罰は、イラン政府が全国的な反体制デモに強硬姿勢で臨む中で下された。デモは昨年末に始まり、経済悪化や政治的抑圧への抗議として広がったが、治安部隊による激しい弾圧で多数の死傷者が出た。こうした情勢下、当局は反政府的な声を封じ込める姿勢を鮮明にしており、モハンマディ氏という象徴的存在の再拘束と長期刑は、国内外で波紋を広げている。

イラン外務省はこの件についてコメントを出していないが、国際社会は人権の観点からイラン政府の対応を注視している。モハンマディ氏の弁護団は控訴する可能性を示唆し、法的手続きの行方にも関心が集まっている。

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