▽アサド旧政権が崩壊して以来、欧州の高官がシリアを訪問したのは初めて。
フランスとドイツの外相が3日、シリアの首都ダマスカスを訪れ、暫定政府を率いるジャウラニ(Abu Mohammad Al-Julani、本名アフマド・シャラ)氏と会談した。
アサド旧政権が崩壊して以来、欧州の高官がシリアを訪問したのは初めて。
フランスのバロ(Jean-Noel Barrot)外相とドイツのベーアボック(Annalena Baerbock)外相はダマスカスの宮殿でジャウラニ氏らと会談。今後の政権運営などについて協議したとみられる。
ジャウラニ氏はアサド旧政権への攻撃を主導したタハリール・アルシャーム機構(HTS)の指導者である。欧米諸国は国際テロ組織アルカイダとつながりのあるHTSをテロ組織に指定している。
バロ氏はX(旧ツイッター)に声明を投稿。「フランスとドイツは多様なシリアの人々とともにある」と書いた。
またバロ氏は「シリア人のために、そして地域の安定のために、民主的な政権への移行を支持する」と強調した。
ベーアボック氏は会談後の記者会見で、「今日の会談で、欧州はシリアを支援するが、イスラム主義組織の資金提供者にはならないことを明確にした」と述べた。
アサド(Bashar Assad)前大統領は先月初め、HTS率いる反体制派による電光石火の攻勢に対応できず、ロシアに逃亡。これにより、50年にわたるアサド一族の独裁に終止符が打たれた。
この政変以来、多くのアラブ諸国がシリアを訪問し、内戦で荒廃した国の復興と平和的な政権移行への協力や支援を約束している。