◎マクロン氏はイスラエルの自衛権を認めたうえで、イスラム組織ハマスによるイスラエル領への攻撃を糾弾した。
フランスのマクロン(Emmanuel Macron)大統領は10日、イスラエル政府に対し、パレスチナ・ガザ地区で生活する女性と子供への攻撃をやめるよう呼びかけた。
マクロン氏は英BBCニュースが10日に報じたインタビューの中で、「イスラエル軍の空爆を正当化する理由はない」と強調。停戦はイスラエルの利益になるという見方を示した。
またマクロン氏はイスラエルの自衛権を認めたうえで、イスラム組織ハマスによるイスラエル領への攻撃を糾弾した。
フランスはイスラエルや米国などと共にハマスをテロ組織に指定している。
マクロン氏は停戦を求める国際社会の声に米英などの首脳が加わることを望んでいるかという質問に対し、「そうなることを願っている」と答えた。
イスラエル政府は国際法に沿ってハマスの軍事施設や拠点を攻撃し、その前に警告を発し、市民に避難を呼びかけるなど、「民間人の犠牲を減らすための措置をとっている」と主張している。
マクロン氏はパリで9日に開催されたガザの人道支援に関する会議について、「会議に出席した全ての政府・機関はまず人道的な休戦を行い、その後停戦に移行する以外に解決策はないという結論に達した」と語った。
またマクロン氏は女性や子供を含む多くの民間人が犠牲になっていることについて、「イスラエルの主張を正当化することはできない」と強調した。
マクロン氏は「国際法が破られたかどうかを判断するのは自分ではなく、国際的な調査機関による公正中立な調査で明らかになるだろう」と述べた。
イスラエルのネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は10日、マクロン氏のコメントに即座に反応し、「各国が非難すべきなのはイスラエルではなくハマスだ」と声明を出した。
イスラエル首相府は次のように述べている。「イスラエルは民間人に危害を加えないようあらゆる手を尽くし、戦闘地域から離れるよう呼びかけているが、ハマス=ISISは民間人が安全な地域へ離れるのを阻止するためにあらゆる手を尽くしており、民間人を人間の盾として利用している...ハマス=ISISを放置すれば、ガザで犯されている戦争犯罪は明日、パリ、ニューヨーク、そして世界中で繰り返されるだろう」