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フランス大統領がイスラエル首相を非難、ガザ紛争めぐり対立

ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は20日午前の時点で6万2064人、負傷者は15万6573人となっている。
フランス、パリの大統領府、マクロン大統領(右)とイスラエルのネタニヤフ首相(AP通信)

フランスのマクロン(Emmanuel Macron)大統領は20日、同国が反ユダヤ主義を煽っているというイスラエル政府の主張を否定した。

マクロン氏はイスラエルのネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相が「フランス政府がパレスチナ国家の承認を決めた後、フランスで反ユダヤ主義が急増した」と主張したことについて、「そのような発言は卑劣で誤ったものである」と非難した。

フランスは先月、9月の国連総会でパレスチナ国家を承認すると発表。イギリス、カナダ、オーストラリアがこれに追随した。

オーストラリアのアルバニージー(Anthony Albanese)首相も20日、ネタニヤフ氏を非難する声明を出した。

ネタニヤフ氏はこの数時間前、アルバニージー氏を「ユダヤ人を裏切った弱い政治家」と呼んだ。

AP通信によると、ネタニヤフ氏はマクロン氏に宛てた書簡の中で、「あなたが来月の国連総会でパレスチナ国家を承認すると発表した後、フランスで反ユダヤ主義が急増しました。あなたのパレスチナ国家の承認呼びかけは反ユダヤ主義の火に油を注ぐものだ」と述べたという。

マクロン氏は声明でこの主張に反発。「我が国の発表が反ユダヤ主義を煽ったという分析は誤りであり、卑劣であり、容認できない」と非難した。

フランスには推定50万人のユダヤ人が居住している。

国連加盟193カ国のうち150カ国近くがパレスチナ国家を承認済み。その大半が数十年前に承認している。

しかし、どの国も米国の支援を受けるイスラエルを止めることができずにいる。

過激なイスラム主義者は国連を「役立たずのゴミ」と呼び、湾岸諸国に対し、イスラエルに総攻撃を仕掛け、パレスチナ・ガザ地区を解放するよう促している。

ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は20日午前の時点で6万2064人、負傷者は15万6573人となっている。

多くのボランティアが行方不明者を捜索している。建物の倒壊に巻き込まれるなどして行方不明になった市民は1万~1万4000人と推定されている。

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