◎レバノンとイスラエルは1948年のイスラエル建国以来、戦争状態にあり、地中海の約860㎢を争っている。
レバノンの市民船団は4日、南部のイスラエル領海付近で争われているガス田について、イスラエル政府に主張を撤回するよう求めた。
この領海にはガス田がある。レバノンを統治するイスラム過激派組織「ヒズボラ」はその位置をレバノンのEEZ(排他的経済水域)内、イスラエルは公海と主張している。
米国はこの問題を仲介するため、ベイルートに特使を派遣する予定である。
レバノンとイスラエルは1948年のイスラエル建国以来、戦争状態にあり、地中海の約860㎢を争っている。両国は2年前、この問題の協議を開始した。
イスラエル沖に接近した市民船団はガス田の権利を主張する旗やのぼりを掲げ、イスラエルに抗議した。
AP通信の取材に応じた男性は、「レバノンのガスを奪わないでください」と語った。
レバノンとイスラエルの両海軍の巡視艇が海域に集まったものの、緊張は生じなかった。
一方、米国務省のシニアアドバイザー、ホッホシュタイン(Amos Hochstein)氏は会談を仲介するためにベイルートとエルサレムを行き来している。
ホッホシュタイン氏が最後にベイルートを訪れたのは7月下旬。
レバノン大統領府によると、ホッホシュタイン氏は来週、国会副議長とこの問題について協議する予定だという。
レバノンの現地メディアは、「両国はまもなく合意に達する可能性がある」という楽観的な見方を示している。
しかし、イランの支援を受けているヒズボラとイスラエルの緊張もこの数カ月で急速に高まっており、協議に悪影響を与えると懸念されている。
イスラエル軍は7月上旬、このガス田上空を飛行していたヒズボラの非武装ドローン3機を撃墜した。
レバノンのミカティ(Najib Mikati)首相は係争地付近で不審な行動を取るべきではないとヒズボラを批判した。
しかし、ヒズボラの指導者ナスララ(Hassan Nasrallah)師は7月に放送されたインタビューで、「我々はいつでもイスラエルが自分の領土と主張している海域を爆撃できる」とし、イスラエルに撤退を迫った。