レバノン、国境壁問題でイスラエルを非難、国連安保理に対応求める
ブルーラインはイスラエルとレバノンの間に設けられた境界線で、正式には「国連監視ライン(UNIFIL Line)」と呼ばれる。
のパトロール部隊(Getty-Images/AFP通信)-1.jpg)
レバノン政府は15日、イスラエルがレバノン南部国境沿いに「ブルーライン」を越えてコンクリート壁を建設しているとして、国連安全保障理事会に対応を求めると表明した。
ブルーラインはイスラエルとレバノンの間に設けられた境界線で、正式には「国連監視ライン(UNIFIL Line)」と呼ばれる。
これは2000年にイスラエルがレバノン南部から撤退した際に、国連の仲介で設置された。
ブルーラインはイスラエルとレバノンの間で領土問題や軍事的な緊張を管理するための線として、国連レバノン暫定軍(UNIFIL)が監視している。
国連のデュジャリック(Stephane Dujarric)報道官は14日、イスラエル軍がレバノン国境に建設した壁がブルーラインを越えていることが判明したと明らかにした。
それによると、この壁により、地元住民が4000平方メートル以上のレバノン領土に立ち入りできなくなったという。
レバノンのアウン(Joseph Aoun)大統領は声明でデュジャリック氏の指摘を支持。「イスラエルが安保理決議を無視してレバノン領内に壁を建設し、占領地を拡大している」と非難した。
UNIFILはイスラエルに壁の撤去を要請している。
イスラエル軍の報道官は14日、国連の指摘に反論し、壁の建設を続けると誓った。
イスラエルと親イラン組織ヒズボラによる停戦協定は24年11月末に発効した。
イスラエル軍は協定発効後も首都ベイルートや南部を定期的に空爆。そのほとんどがヒズボラの戦闘員やその関連施設に対するものである。
イスラエルとヒズボラは停戦発効から60日以内にレバノン南部から部隊を撤退させ、その後、レバノン正規軍とUNIFILが南部を管理することで合意していた。
しかし、イスラエルはレバノン側が合意を守っていないと主張。撤退を拒否している。
ヒズボラはこの戦争で大打撃を受け、前最高指導者のナスララ(Hassan Nasrallah)師を含む指導部のほとんどと5000人以上の戦闘員を失った。
レバノン政府は現在、米国が支援する計画に沿ってヒズボラに武装解除を求めている。
