◎レバノンでは前日にも親イラン組織ヒズボラが使用していたポケベル数千台がほぼ同時に爆発し、子供2人を含む少なくとも12人が死亡、約2800人が負傷している。
2024年9月18日/レバノン、首都ベイルート、トランシーバーとみられる機器が爆発した現場(AP通信)

レバノンの首都ベイルートなどで18日、トランシーバーなどの機器が相次いで爆発し、少なくとも20人が死亡、450人が負傷した。保健省が明らかにした。

レバノンでは前日にも親イラン組織ヒズボラが使用していたポケベル数千台がほぼ同時に爆発し、子供2人を含む少なくとも12人が死亡、約2800人が負傷している。

ヒズボラは18日の爆発で10人のメンバーが死亡したと明らかにした。

レバノン赤十字社によると、30台以上の救急車がベイルート南部などで負傷者の対応にあたった。レバノンの消防当局によると、18日の爆発で負傷した少なくとも95人が治療のためイランに搬送されたという。

レバノン陸軍は医療チームが現場に到着できるよう、市民に外出を控え、現場周辺に集まらないよう呼びかけている。

現地メディアによると、トランシーバーなどの無線機器がほぼ同じタイミングで爆発し、複数カ所で火災が発生したという。

ベイルートの国際空港では爆発が報じられた後、警備員がすべてのトランシーバーを回収した。

当局によると、17日のポケベル攻撃による死者は少なくとも12人。負傷者は少なくとも2800人。うち約460人が重傷で、手術が必要だという。負傷者の多くが目、顔、手や指を負傷していた。

現地メディアはレバノン政府高官などの話しとして、イスラエルの対外諜報機関モサドがポケベル攻撃の背後にいると報じたが、その証拠は示していない。

モサドは米中央情報局(CIA)と同盟関係にあり、世界で最も危険な諜報機関のひとつとされる。その実態はほとんど明らかになっていない。

イスラエルはポケベル攻撃に関するコメントを出していない。

AP通信は関係者の話しとして、爆発したポケベルにはそれぞれ約1〜2オンスの爆薬が入っていたと伝えている。

ヒズボラはポケベル攻撃について、科学的な調査を行なっていると声明を出した。

ヒズボラは11人のメンバーがポケベル攻撃で死亡したと報告しているが、それ以上の詳細は明らかにしていない。

ヒズボラは17日の声明でイスラエルを非難。「民間人を標的にし、多数の殉教者と負傷者をもたらしたこの犯罪について、イスラエルに全責任を負わせる」と述べた。

ヒズボラは18日朝、ガザ地区を支援するための作戦を継続すると表明。17日の攻撃に対するイスラエルへの報復を改めて誓った。

シリアでもヒズボラを標的とした攻撃が確認され、少なくとも14人が負傷したと伝えられている。

専門家たちは今回のポケベル・無線機器爆発について、「モサドはイランやレバノンを含む敵対勢力にかつてない圧力をかけることに成功した」と指摘している。

数千台の電子機器に秘密裏に爆薬を仕掛け、それを敵対勢力が支配する国に送り込むのは至難の業である。

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