◎この難民キャンプは1948年のイスラエル建国時に避難民となったパレスチナ人を収容するために建設され、約5万5000人が生活している。
レバノン南部シドンのパレスチナ難民キャンプで9日、激しい銃撃戦と砲撃により少なくとも3人が死亡、10人が負傷した。
イスラム主義グループとみられる正体不明の武装テロリストは7月末、パレスチナの前与党ファタハの幹部とされる人物を殺害しようとし、銃撃戦に発展。市街戦の末、ファタハの幹部と護衛3人が死亡した。
ファタハを支持する組織は幹部殺害に関与した武装テロリストの身柄をレバノン当局に引き渡すよう求めている。戦闘は8月3日に収まったものの、いつ再燃してもおかしくない状況が続いており、今週、銃撃戦が勃発した。
レバノンのミカティ(Najib Mikati)首相は9日、パレスチナのアッバス(Mahmoud Abbas)議長と会談し、この問題について協議した。
ミカティ氏は声明で、「シドンの難民キャンプで起きていることはパレスチナの大義に関連するものではなく、有害と言わざるを得ない」と断じた。
AP通信によると、シドンのはずれにある難民キャンプとその周辺地域では銃声と爆発音が断続的に聞こえたという。
戦闘は8日に再燃したとみられ、周辺地域の住民やパレスチナ難民数百人が避難を余儀なくされた。8日の戦闘では少なくとも20人が負傷したとみられる。
レバノン軍は声明で戦闘の即時終結を呼びかけ、「複数の関係者と連絡を取り合っている」と明らかにした。また同軍は市民に対し、戦闘地域に近づかないよう警告した。
レバノン軍はパレスチナ自治政府との協定に基づき、キャンプには入らず、周辺の警備にあたっている。
この難民キャンプは1948年のイスラエル建国時に避難民となったパレスチナ人を収容するために建設され、約5万5000人が生活している。