◎イスラム主義グループとみられる正体不明の武装テロリストは7月末、パレスチナの前与党ファタハの幹部とされる人物を殺害しようとし、銃撃戦に発展。市街戦の末、ファタハの幹部と護衛3人が死亡した。
レバノン南部シドンのパレスチナ難民キャンプで戦闘が再燃し、激しい銃撃戦と砲撃により少なくとも20人が負傷、周辺住民数百人が避難を余儀なくされた。現地メディアが8日に報じた。
イスラム主義グループとみられる正体不明の武装テロリストは7月末、パレスチナの前与党ファタハの幹部とされる人物を殺害しようとし、銃撃戦に発展。市街戦の末、ファタハの幹部と護衛3人が死亡した。
ファタハを支持する組織は幹部殺害に関与した武装テロリストの身柄をレバノン当局に引き渡すよう求めている。戦闘は8月3日に収まったものの、いつ再燃してもおかしくない状況が続いていた。
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)によると、一連の市街戦で少なくとも13人が死亡、数十人が負傷し、数百人が今も自宅に戻れずにいるという。
ファタハの幹部殺害に関与したとされる武装テロリストの身柄はレバノン当局に引き渡されておらず、一部の地元メディアは「戦闘が紛争に発展する可能性もある」と伝えている。
AP通信は8日、ファタハ当局者の話しとして、「我が軍とパレスチナ軍の合同部隊は家宅捜索を開始した」と伝えた。対象地域はシドンの難民キャンプおよび周辺地域とみられる。
シドンのファタハを代表する組織の報道官はAPの取材に対し、「イスラム主義グループは7日夜、パレスチナ軍がキャンプ内の学校からテロリストを排除する計画を阻止するために攻撃を開始した」と語った。
レバノン国営通信によると、7~8日の戦闘で少なくとも20人が負傷し、病院に搬送されたという。負傷者の中には消火活動中に砲撃を受けたボランティア3人が含まれていた。
レバノンの治安当局は局員の1人がキャンプ外で流れ弾に当たって頭部を負傷したと報告している。レバノン軍はパレスチナ自治政府との協定に基づき、キャンプには入らず、周辺の警備にあたっている。
死者が出たという報告はない。シドンの公立大学はこの戦闘を受け、予定していた試験を延期すると発表した。