◎事件はレバノン南部のイスラエル国境沿いで発生。ヒズボラの戦闘員3人は近くの病院に搬送された。
2023年7月12日/レバノン、イスラエル国境付近、国連PKO部隊の車両(Mohammed Zaatari/AP通信)

レバノンとイスラエルの国境沿いで爆発があり、イスラム教シーア派組織ヒズボラの戦闘員少なくとも3人が負傷した。レバノン当局が12日、明らかにした。

それによると、事件はレバノン南部のイスラエル国境沿いで発生。ヒズボラの戦闘員3人は近くの病院に搬送されたという。

イスラエル軍は声明で、「テロリストが国境フェンスに近づき、破壊工作を試みたが、追い払うことに成功した」と述べている。

同軍が公開した監視カメラ映像には、民間人のように見える4人組が国境フェンスに近づき、爆発の後に逃げる様子が映っていた。

同軍の報道官はAP通信の取材に対し、「治安部隊はスタングレネードでテロリストを撃退した」と語った。

国連レバノン暫定軍(UNIFIL)は12日、「事件を調査している」と声明を出し、双方に事態をエスカレートさせるような行動を取らないよう呼びかけた。

ヒズボラはイスラエルの宿敵イランを支援し、2006年にイスラエル軍と1カ月におよぶ戦争(レバノン侵攻)を繰り広げた。

イスラエル軍は同日、レバノン国境沿いのフェンスに石や爆竹を投げつける集団が現れたため、威嚇射撃を行ったと発表した。負傷者は出ていないとみられる。

一方、ヒズボラを率いるナスララ(Hassan Nasrallah)師は2006年のレバノン侵攻を記念する式典で演説した際、この事件に簡単に触れ、「当局が捜査に当たっており、必要な措置を講じる準備ができている」と表明。イスラエルへの報復を示唆した。

レバノン侵攻ではレバノンの市民1000人以上とイスラエル人159人が死亡した。

ヒズボラはイスラエルに越境攻撃を仕掛け、イスラエル兵8人を殺害。イスラエル軍がこれに応戦し、戦争が勃発した。

それから17年、両国は何度か小競り合いを演じたものの、大きな戦闘は今のところ発生していない。

国連は公式には戦争状態にある両国の国境「ブルーライン(停戦ライン)」に沿ってUNIFILを展開している。

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