レバノン内閣、ヒズボラの武装解除計画を歓迎、実施時期未定
政府は現在、米国が支援する計画に沿ってヒズボラに武装解除を求めているが、ヒズボラとその支持者はこの計画に反対。対立が深まっている。
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レバノン政府は5日、親イラン組織ヒズボラの武装解除を目指す軍の計画を歓迎し、軍が計画に着手すると表明した。ただし実施時期は設定せず、軍の能力には限界があるとの認識も示した。
政府は現在、米国が支援する計画に沿ってヒズボラに武装解除を求めているが、ヒズボラとその支持者はこの計画に反対。対立が深まっている。
ヒズボラは武装解除を拒否し、イスラエルに南部の占領地から撤退するよう求めている。
米国とサウジアラビア、そしてレバノン国内のキリスト教徒とスンニ派からなるヒズボラ反対派は同組織の武装解除を強く支持している。
ヒズボラはこれに反発。イスラエルがレバノンへの空爆を継続し南部広域を占領している状況下で武装解除を議論すること自体が重大な誤りだと主張してきた。
イスラエル軍は3日、レバノン南部を空爆し、4人が死亡した。
アウン(Joseph Aoun)大統領とサラム(Nawaf Salam)首相は閣議の中で陸軍司令官が示した武装解除計画を概説。これを支持した。
しかし、ヒズボラに近いシーア派の閣僚5人はこの計画を聞くことなく退室した。
政府報道官は閣議後、声明で、「政府はこの計画を歓迎する」と述べたが、閣議全員が支持したとは言わなかった。
イスラエルとヒズボラによる停戦協定は24年11月末に発効した。
イスラエル軍は協定発効後も首都ベイルートや南部を定期的に空爆。そのほとんどがヒズボラの戦闘員やその関連施設に対するものである。
イスラエルとヒズボラは停戦発効から60日以内にレバノン南部から部隊を撤退させ、その後、レバノン正規軍とUNIFILが南部を管理することで合意していた。
しかし、イスラエルはレバノン側が合意を守っていないと主張。撤退を拒否している。
ヒズボラはこの戦争で大打撃を受け、前最高指導者のナスララ(Hassan Nasrallah)師を含む指導部のほとんどと5000人以上の戦闘員を失った。
レバノン政府はイスラエルの軍事作戦と占領の停止と引き換えにヒズボラを武装解除するという米国のロードマップについて、「イスラエル側がまだコミットしておらず、計画が実現するかどうかはイスラエル次第」と指摘している。