レバノン政府、パレスチナ系過激派の武装解除を開始、難民キャンプ内
地元のテレビ局が報じた映像には引き渡しに先立ち、軍の装甲車がキャンプ内に入る様子が映っていた。
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レバノン政府は21日、首都ベイルートの難民キャンプに居住するパレスチナ系武装勢力の武装解除計画を開始したと明らかにした。
首相府は声明で、「難民キャンプ内に拠点を置くパレスチナ系の過激派はレバノン軍に順次、武器を引き渡すことになる」と述べた。
また首相府は今後数週間かけて武器を回収すると説明した。
パレスチナの前与党ファタハの当局者はロイター通信の取材に対し、「現在までに引き渡されている武器はキャンプに持ち込まれた違法武器のみである」と語った。
地元のテレビ局が報じた映像には引き渡しに先立ち、軍の装甲車がキャンプ内に入る様子が映っていた。
イスラエルとレバノンの親イラン組織ヒズボラによる停戦協定は24年11月末に発効した。
イスラエル軍は協定発効後も首都ベイルートや南部を定期的に空爆。そのほとんどがヒズボラの戦闘員やその関連施設に対するものである。
イスラエルとヒズボラは停戦発効から60日以内にレバノン南部から部隊を撤退させ、その後、レバノン正規軍とUNIFILが南部を管理することで合意していた。
しかし、イスラエルはレバノン側が合意を守っていないと主張。撤退を拒否している。
ヒズボラはこの戦争で大打撃を受け、前最高指導者のナスララ(Hassan Nasrallah)師を含む指導部のほとんどと5000人以上の戦闘員を失った。
政府は武器の所持を6つの国家治安機関に限定すると表明し、米国が支援する計画に沿ってヒズボラにも武装解除を求めている。
ヒズボラの最高指導者であるカセム(Naim Qassem)師は先週、政府が同組織の排除に踏み切った場合、内戦に発展する可能性があると示唆。武装解除には応じないと主張した。
米国はこの2カ月間、イスラエルが空爆を完全に停止し、南レバノンから部隊を撤退させる見返りに、ヒズボラを完全に武装解除するようレバノン側に求めてきた。
ヒズボラは武装解除を拒否しているが、非公式には戦力を縮小する可能性を示唆している。