レバノン政府「イスラエルと協議したい」、ヒズボラとの戦争続く中
レバノンのアウン大統領は13日、イスラエルとの直接交渉に応じる用意があると表明した。
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イスラエルとレバノンの親イラン組織ヒズボラとの衝突が激化する中、レバノン政府が提案した直接交渉の申し出が、イスラエルや米国からほとんど関心を示されていないことが明らかになった。報道によると、レバノン政府の提案は「遅すぎる」と受け止められており、停戦に向けた外交的突破口には至っていない。
レバノンのアウン(Joseph Aoun)大統領は13日、イスラエルとの直接交渉に応じる用意があると表明した。ロイター通信によると、アウン氏は交渉団の準備を進めるとともに、将来的な国交正常化の可能性も排除しない姿勢を示している。
ロイターは政府高官の話しとして、「すべてが交渉のテーブルにある」と述べ、従来の対立姿勢から大きく踏み込んだ提案であることを示唆した。
今回の提案の背景には3月2日にヒズボラがイスラエル北部に向けてロケット攻撃を行い、地域紛争に参戦したことによって戦闘が急速に拡大した状況がある。イスラエルはこれに対し大規模な空爆を実施し、首都ベイルートを含む各地への攻撃を続けている。レバノン当局によると、この空爆による死者は数百人規模に達し、80万人以上が避難を余儀なくされている。
イスラエル側はレバノン政府の提案に懐疑的な姿勢を示している。イスラエルはレバノン政府がヒズボラの武装解除を実行できない限り、交渉には意味がないと主張している。イスラエル外相は13日、「レバノン政府との対話だけでは、レバノン領への攻撃を止めることはできない」と述べ、ヒズボラとの戦闘が続く中での交渉は現実的ではないとの認識を示した。
ロイターによると、米国も今回の提案に積極的ではない。米政府内ではレバノン政府がこれまでヒズボラの行動を抑え込めなかったことから、交渉を進めても実効性が乏しいとの見方が強いという。また、米国は現在イランとの戦争対応に注力しており、レバノン問題に割く外交的余力が限られているとの指摘もある。
レバノン政府は最近、ヒズボラの軍事活動を禁止する決定を出し、同組織の影響力を抑えようとする姿勢を示した。これは国内でヒズボラの武装を問題視する声が強まっていることを反映したものだ。しかし、ヒズボラは強力な軍事力を保持し、シーア派住民の支持も得ているため、政府が実際に武装解除を進めることは極めて難しいとみられている。
専門家の間では、レバノン政府がヒズボラに強硬措置を取れば国内の宗派対立を激化させ、内戦につながる危険があるとの見方も出ている。1975年から1990年まで続いた内戦の記憶が残る中、政府はヒズボラとの直接対決に慎重にならざるを得ない状況にある。
こうした事情から、レバノンの和平提案は外交的には大きな転換とみられる一方、実際の影響力には限界があると指摘されている。戦闘が続く中で双方の不信感は強く、停戦や交渉開始の見通しは立っていない。中東情勢はイランをめぐる戦争の影響も受けてさらに複雑化しており、レバノンとイスラエルの対立が今後どのように収束するのかは依然不透明である。
