レバノン大統領がヒズボラに武装解除呼びかけ、米国の圧力高まる中
米政府は現在、レバノン政府に対し、ヒズボラの武装解除を「確約」するよう圧力をかけている。
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レバノンのアウン(Joseph Aoun)大統領は7月31日、同国の親イラン組織ヒズボラに対し、武器を放棄するよう改めて強く呼びかけた。
アウン氏は演説で「ヒズボラの武装解除に関する米国の早草案に修正を加え、来週閣議決定する予定である」と語った。
またアウン氏は「政府の案にはレバノンにおけるイスラエルの軍事行動の即時停止(空爆や標的殺害を含む)、イスラエル軍のレバノン南部からの完全撤退、イスラエルに拘束されているレバノン市民の解放が含まれる」と説明した。
さらに、レバノン軍の能力を強化するために国際ドナーが10年間で10億ドルを寄付すること、そして昨年のイスラエルとヒズボラの戦争で被害を受けた地域の再建に向けた会議を秋に開催することも求めた。
米政府は現在、レバノン政府に対し、ヒズボラの武装解除を「確約」するよう圧力をかけている。
ロイター通信によると、米当局はアウン氏に対し、ヒズボラの武装解除を確約する政令を速やかに閣議決定するよう求めているという。
レバノン側はイスラエルによる軍事作戦を恒久的に停止するよう米当局に求めている。
イスラエルとヒズボラによる停戦協定は24年11月末に発効した。
イスラエル軍は協定発効後も首都ベイルートや南部を定期的に空爆。そのほとんどがヒズボラの戦闘員やその関連施設に対するものである。
イスラエルとヒズボラは停戦発効から60日以内にレバノン南部から部隊を撤退させ、その後、レバノン正規軍と国連レバノン暫定軍(UNIFIL)が南部を管理することで合意していた。
しかし、イスラエルはレバノン側が合意を守っていないと主張。撤退を拒否している。
ヒズボラはこの戦争で大打撃を受け、前最高指導者のナスララ(Hassan Nasrallah)師を含む指導部の大半と数千人の戦闘員を失った。
ヒズボラの最高指導者であるカセム(Naim Qassem)師は7月30日、イスラエルが武装解除に応じるのであれば、協議に応じる用意があると示唆した。
ヒズボラはイスラエルがレバノン全土から撤退し、攻撃を恒久的に停止するまで、武装解除の議論には応じないという立場を示している。
レバノン政府は現在、大打撃を受けた南部地域の再建や南部国境沿いの治安維持に奔走している。世界銀行はレバノンの復興費用を110億ドル以上と見積もっている。