◎レバノンは長年、この地域の難民の受入国だったものの、2019年10月の経済破綻以降は欧州への亡命を希望する移民の中継地になっている。
レバノン当局が首都トリポリの沖合で移民126人を救助した。国営テレビが6日に報じた。
それによると、シリア人125人とレバノン人1人を乗せたボートはトリポリ沖でエンジントラブルに見舞われ、助けを求めていたという。
レバノン海軍はこのボートをトリポリの港に曳航。移民数人が現場で応急手当てを受けた。
海軍によると、救助した126人のうち8人が女性、24人が子供だったという。
レバノンは長年、この地域の難民の受入国だったものの、2019年10月の経済破綻以降は欧州への亡命を希望する移民の中継地になっている。
レバノンを出港するシリア人、パレスチナ人、レバノン人は毎年数千人にのぼる。同国から地中海を渡って欧州を目指すルートは他の地中海ルートに比べると危険性が高いとされる。
レバノンには国連による正規の登録を受けたシリア難民が80万人ほど生活しているが、当局は実際の数を150万~200万人と見積もっている。
パレスチナ難民とその子孫も暮らしており、その多くは国内に点在する12の難民キャンプに身を寄せている。
国連によると、内戦で荒廃したシリアからレバノンに逃げ込んだ移民はこの数カ月で1万人近くに達したという。
レバノン当局は8月、移民の密入国を支援したとされるレバノン人とシリア人数十人を逮捕したと明らかにした。
昨年9月、レバノンを出港した移民船がシリア沖で転覆し、少なくとも94人が死亡。当局はその後、人身売買に関与したとされる数十人を逮捕した。