クウェート、14ギガワットの新規発電プロジェクト始動
クウェートは急速な人口増加、都市拡大、気温上昇、一部発電所のメンテナンス遅延による電力不足に直面しており、政府は昨年から一部地域で計画停電を実施せざるを得ない状況だ。
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クウェートが2031年までに14.05ギガワットの発電設備を新設する予定だ。政府が27日、明らかにした。
同国は電力需要の増加に対応するため、電力設備の増強を進めている。
首長の報道官はX(旧ツイッター)に声明を投稿。今夏は一部地域で最高気温が51度に達したにもかかわらず、電力需要に対応し、うまく乗り切ったと書いた。
クウェートは急速な人口増加、都市拡大、気温上昇、一部発電所のメンテナンス遅延による電力不足に直面しており、政府は昨年から一部地域で計画停電を実施せざるを得ない状況だ。
この新設プロジェクトには今年8月にサウジアラビアのACWAパワーと湾岸投資公社(GIC)が率いるコンソーシアムと契約した北発電所の第2・第3期工事(合計2.7ギガワット)が含まれる。
総事業費は10億ディナール(約4.8兆円)超、国内外の銀行が融資を予定している。
クウェートの電力設備は、主に政府が所有・運営する体制のもとで整備されている。発電は火力発電が中心であり、とくに天然ガスや石油を燃料とする発電所が多数を占める。これはクウェートが豊富な石油・天然ガス資源を有していることに起因する。主要な発電所としては、サビーヤ発電所、ドーラ発電所、アルズール発電所などがあり、これらは発電と海水淡水化を同時に行う複合施設となっている。
電力需要は特に夏季に急増する傾向があり、エアコンなどの冷房需要が高いため、ピーク時の供給能力確保が課題となっている。そのため、政府は電力インフラの拡充や効率化に力を入れており、近年では再生可能エネルギーの導入にも着手している。