◎議会は今年4月、長年の政治的膠着を打破するため、ここ数年で4回目となる議会選を実施したばかりだ。
クウェートのアフマド(Sheikh Meshal Al Ahmad Al Jaber)首長が10日、再び議会(一院制、定数50)を解散した。
アフマド氏は国民向けのテレビ演説で議会の解散と憲法の一部を停止したと発表。それ以上の詳細は明らかにしなかった。
憲法の停止期間は「4年以内」としている。
アフマド氏は次のように強調した。「クウェートが過去に経験した不健全な雰囲気は汚職の蔓延を助長し、ほとんどの国家機関に及んだ。それは国民生活と聖域である司法制度にまで影響を及ぼしている...」
「民主主義を悪用して国家を破壊することは決して許さない。クウェート国民の利益が何よりも優先されるからだ」
議会は今年4月、長年の政治的膠着を打破するため、ここ数年で4回目となる議会選を実施した。
一連の論争は数年前に勃発。その中には福祉制度の変更をめぐるものなどがある。
政府は石油が生み出す膨大な富の大半を公共部門に割り当てているものの、財源の確保に苦労している。肥大化した公共部門の最大のネックは公務員の給与である。
議会は多くの権限を与えられているが、最終決裁権を持つのは首長である。
クウェートの人口は約420万人。国土面積は日本の四国より狭い1万8000平方キロメートルほどだが、石油埋蔵量は世界6位である。