◎この選挙がクルド人をめぐる紛争や混乱を緩和する可能性は低い。
2024年10月20日/イラク、北部クルド人自治区、議会選の投票所(AP通信)

イラク北部クルド自治区で20日、議会選挙が行われた。

地元メディアによると、クルド民主党(KDP)がクルド愛国同盟(PUK)を上回る可能性が高いという。

両党は異なる地域を支配している。KDPは首都と周辺地域、PUKはスレイマニヤを管轄している。

この分裂はしばしば政治的行き詰まりを引き起こしてきた。議会選は2022年に予定されていたが、選挙法や手続きをめぐる争いの中で何度も延期された。

内務省職員とクルド人治安部隊「ペシュメルガ」は18日に投票。一般市民は20日に投票した。

選挙管理当局によると、18日の投票ではKDPが60%の票を獲得し大幅なリードを確保。PUKは約30%であった。支持率が徐々に上昇している野党・クルド新世代運動は5.3%を獲得、2018年の3%を上回った。

イラクのスダニ(Mohammed al-Sudani)首相は最近、クルドの中心都市アルビルを訪問した際、「政府はクルド人の権利を保障すると約束するが、選挙はイラク憲法の範囲内で行わなければならない 」と述べていた。

この選挙がクルド人をめぐる紛争や混乱を緩和する可能性は低い。トルコ政府はクルドのテロ組織拠点を執拗に空爆している。

オスマン帝国時代から続くトルコ人とクルド人の紛争は1980年代に本格化し、数万人が死亡したと考えられている。

トルコ政府はクルド労働者党(PKK)やクルド人民防衛部隊(YPG)などのテロ組織がクルド人自治政府を支援し、独立国家の建設を企てていると長年非難してきた。

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