◎ヘリ2機は15日夜、イラク北部の都市スレイマニヤに向かう途中、悪天候のため墜落した。
シリア北東部に拠点を置くクルド人主導の民兵組織「シリア民主軍(SDF)」は17日、隣国イラクで今週同軍のヘリコプターが2機墜落し、指揮官を含む9人が死亡したと発表した。
SDFの報道官によると、ヘリ2機は15日夜、イラク北部の都市スレイマニヤに向かう途中、悪天候のため墜落したという。
SDFは声明の中で、「部隊はイスラム国(ISIS)との戦いに必要な専門知識を共有するため、イラクに向かっていた」と述べている。
死亡した指揮官はSDFの最高司令官アブディ(Mazloum Abdi)氏のいとこだという。
SDFは墜落の原因や事故の詳細を明らかにせず、イラク当局に9人の遺体を引き渡すよう要請した。
SDFは米軍の支援を受け、主にシリア北部と東部でISISの残党を取り締まっている。
ISISは2019年にシリアとイラクの全領土を失ったものの、その残党は各地で活動を続け、クルド人部隊やイラク軍だけでなく、多くの民間人を標的にしている。
イラク当局は16日の報告で、クルド人自治区にヘリが1機墜落したと発表している。
それによると、このヘリにはトルコでテロ組織に指定されているクルド労働者党(PKK)の戦闘員を含む少なくとも5人が搭乗していたという。
PKKの報道官は16日の声明で、「PKKはヘリを保有しておらず、この墜落事故を調査している」と述べた。
PKKは1980年代からトルコ軍と対峙し、米国とEUからもテロ組織に指定されている。
イラク政府、米軍、トルコはいずれも墜落事故への関与を否定していた。