21日、アフガニスタンの首都カブールの住宅街にロケット弾が撃ち込まれ、少なくとも8人が死亡、31人が負傷した。
カブール警察によると、ロケット弾による攻撃は朝のラッシュアワー時に複数箇所で発生し、そのほとんどが住宅街に着弾したという。
現地メディアの取材に応じた男性は、ムジャヒディン派閥と武装勢力の戦争で首都カブールの全てが支配されていた1992年を思い出すと述べた。
今回の攻撃はアフガニスタン全土と首都カブールの政治と安全保障の状況がいかに脆弱であるかを物語っている。
アフガニスタン政府の諜報機関は、今回と他の地域で発生した最近の攻撃にタリバンが関与していると非難声明を発表した。なお、タリバンは関与を否定している。
多くのアフガニスタン人が米軍の数を4,500人から2,500人に減らすという先日発表された撤退計画に困惑し、将来を心配している。
・共和党のミッチ・マコーネル上院院内総務が米兵撤退計画に強く反対
大統領交代直前の安全保障に関わる突然の発表は、アフガニスタン市民に誤ったメッセージを送った。
タリバンの暴力は全国で勢いを増している。そして、自爆テロやロケット攻撃にさらされるのはいつも市民だった。
市民はアフガニスタン政府とタリバンに和平交渉を強制できる国際部隊の駐留を望んでいる。
首都カブールへの攻撃前、米国務省は、マイク・ポンペオ国務長官がカタールの首都ドーハでタリバンの政治指導者およびアフガニスタン全国交渉チームと会談すると発表した。
アフガニスタン政府とタリバンの和平交渉は、数百年前から続く争いと混乱、イスラム法学、宗教、用語などの厄介な問題を解決できず、約2カ月間立ち往生している。
ワシントン・ポスト紙は、和平交渉の行き詰まりが戦闘につながっていると指摘し、米軍の空爆がなければ交渉も都市の奪還もあり得なかったと述べている。
アフガニスタン当局者はABCニュースの取材に対し、次のように述べた。
アフガン当局者:
「政府の交渉チームはタリバンとの和平がどれほど困難であっても、交渉のテーブルから離れることはないだろう。しかし、タリバンは平和を望んでいない。彼らは戦争しか知らない」
米兵撤退計画
・アフガニスタン:米兵4,500人を2,500人に削減
・イラク:米兵3,000人を2,500人に削減
クリストファー・ミラー国防長官代理は撤退計画について、「戦争を終結させ、責任ある結論に導き、勇敢な米兵を帰還させるというトランプ大統領の方針を反映している」と述べている。
計画発表直後、バグダッドのグリーンゾーンに数発のロケット弾が撃ち込まれ、米大使館近くに着弾した。