◎ヨルダンやサウジアラビアを含む多くの湾岸諸国がシリアのアサド政権が主導するカプタゴンの密売に悩まされている。
ヨルダン軍がシリア南部スワイダの麻薬密売組織の拠点を空爆したとみられる。シリアの反体制派が18日、明らかにした。
それによると、爆発は18日遅くに確認され、カプタゴン(アンフェタミン系薬物)の密売に関与したとされる組織の拠点が壊滅したという。
国営シリア・アラブ通信(SANA)はヨルダン軍に言及せず、「スワイダ郊外で複数回爆発が報告され、数人が死亡したという情報がある」と報じた。
イギリスのNGOシリア人権監視団は18日、ヨルダン軍がこの空爆に関与した可能性が高いと報告。「南部で有名なドラッグディーラーの拠点が爆撃され、少なくとも1人が死亡した」と明らかにした。
ヨルダン軍は声明を出していない。
ヨルダンやサウジアラビアを含む多くの湾岸諸国がシリアのアサド政権が主導するカプタゴンの密売に悩まされている。
カプタゴンは「貧乏人のコカイン」と呼ばれ、湾岸諸国や欧州などで人気を集めている。シリア内戦でもカプタゴンが出回り、多くの戦闘員が恐怖心を薄れさせるために使用したとされる。
シリアのカプタゴン産業の規模は数十億ドルと推定されている。
ヨルダンの国営メディアは18日、同国の国境警備隊がシリア国境沿いで麻薬密売組織の構成員9人を拘束し、カプタゴン約500万錠およびその他の違法薬物を押収したと報じた。
ヨルダン軍は先週、北部のシリア国境沿いで治安当局と麻薬密売組織が衝突し、陸軍兵士1人を含む数人が死亡、1人が負傷したと発表していた。