◎イスラエルはエルサレムを首都とみなしているが、国際社会とパレスチナはこれを認めていない。
東パレスチナの旧市街で29日、イスラエルの超国家主義者がパレードを行い、パレスチナ人と衝突した。
パレスチナ自治政府は声明で、「イスラエルは火遊びをしている」と非難した。
この行進は1967年の第三次中東戦争におけるイスラエルの東エルサレム占領を祝うものである。
イスラエルはエルサレムを首都とみなしているが、国際社会とパレスチナはこれを認めていない。
旧市街のアルアクサ・モスク周辺に集まった一部の超国家主義者たちは「アラブ人に死を」「アラブ人は豚箱で暮らせ」などと唱え、パレスチナ人が経営する店舗を襲撃し、石を投げた。
現地メディアによると、過激派は太鼓を叩きながら通りを練り歩き、パレードに抗議するパレスチナ人を非難したという。
ダマスカス門近くに集まった若者たちは、「イスラエルの民は生きている!」と叫んだ。
イスラエルの機動隊はデモ隊を保護するために一緒に行進し、道行くパレスチナ人を威嚇した。
旧市街の通りではパレスチナ人と機動隊が衝突し、催涙ガス弾が発射された。現地メディアによると、イスラエルの極右議員は数百人を引き連れてアルアクサ・モスクに踏み込み、踊り、叫び、イスラエルの国旗を振り回したという。
機動隊は極右議員らも静止したが、催涙ガスは発射しなかった。
パレスチナ解放通信(WAFA)によると、自治政府の大統領報道官はパレードを強く非難し、「占領軍は東エルサレムの聖地を冒涜し、無責任かつ無謀な火遊びをしている」と述べたという。
ユダヤ人とパレスチナ人は決められた時間に聖地を訪れることを許可されているが、そこで宗教や国家のシンボルを掲げることは禁じられている。
イスラム教の聖地であるこの場所は「ハラム・アル・シャリフ」と呼ばれ、イスラム教で最も神聖な施設のひとつであるアルアクサ・モスクがある。ここはユダヤ教徒の聖地でもある。
超国家主義者とパレスチナ人は昨年、東エルサレムで何度も衝突し、その結果、数百人の犠牲者を出したガザ紛争に発展した。ガザ地区を実効支配するイスラム過激派組織ハマスはパレスチナ人が聖地で取り締まりを受けたことに激しく反発し、イスラエルにロケット弾を撃ち込んだ。
現地メディアによると、パレードはアルアクサ・モスクの敷地内に隣接するユダヤ教の聖地、「嘆きの壁」近くで終了した。
イスラエルは1967年の戦争でガザ地区、シナイ半島、ヨルダン川西岸地区、ゴラン高原、アルアクサ・モスクを含む東エルサレムを占領した。それ以来、ガザ地区とヨルダン川西岸地区に追いやられた数百万人のパレスチナ人はみじめな生活を送っている。
アルジャジーラのジャーナリスト、シリーン・アブ・アクレ(Shireen Abu Aqleh)氏はヨルダン川西岸でイスラエル軍の急襲作戦を取材中、何者かに撃たれ死亡した。
アルジャジーラはパレスチナ自治政府が公表した事件の調査報告書を国際刑事裁判所(ICC)に提出している。パレスチナもICCに提訴する意向を示している。