◎イスラエル政府はさらなるテロを防ぐためとして、テロ事件に関与したパレスチナ人の自宅を取り壊してきた。

イスラエル警察は12日、東エルサレムのバス停に車で突っ込みイスラエル人3人を殺害した容疑者の自宅を封鎖した。

事件は東エルサレムのユダヤ人居住区内で10日に発生。8歳と6歳の兄弟を含む3人が死亡し、5人が負傷した。車を運転していたパレスチナ人男性はその場で射殺されている。

地元警察は陸軍と警察の合同チームが容疑者の自宅とされるアパートのドア・窓を溶接し、完全封鎖する映像を公開した。

ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は事件発生からまもなく、容疑者の自宅を封鎖するよう命じた。

一部の地元メディアは政府関係者の話を引用し、「アパートは近く取り壊される」と報じている。

東エルサレムとヨルダン川西岸地区ではイスラエル軍とパレスチナ人武装勢力による暴力の応酬が続いている。東エルサレムのシナゴーグ前で先月27日に発生した銃乱射事件ではイスラエル市民7人が死亡した。

ネタニヤフ氏は11日の閣議で、「テロには力で対抗し、イスラエル領の防御を強化する必要がある」と語った。

またネタニヤフ氏は「西岸地区と東エルサレムに潜伏するテロリストを取り締まる新たな作戦について協議する予定だ」と明らかにした。

警察は事件を起こした容疑者の家族を逮捕している。地元メディアによると、エルサレム地裁は容疑者の兄弟2人の勾留延長を許可したという。

容疑者の家族は弁護士を通じて声明を発表。「息子は精神に問題を抱え、事件を起こす2日前に病院から退院した」と明らかにした。

イスラエル政府はさらなるテロを防ぐためとして、テロ事件に関与したパレスチナ人の自宅を取り壊してきた。

しかし、人権団体はこの措置によってテロ攻撃に直接関与していない多くの家族が路頭に迷い、イスラエルへの怒りを増幅させていると非難している。

パレスチナ自治政府によると、現場で射殺された容疑者は32歳男性。ガザ地区を実行支配するイスラム過激派組織ハマスやイスラム聖戦とつながりがあるかどうかは不明だ。

イスラエルは1967年の第三次中東戦争で東エルサレムやヨルダン川西岸などを占領し、130以上の入植地を建設した。

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