◎ネタニヤフ氏の改正案がそのまま成立すると、議会は過半数の賛成で最高裁の判決を覆せるようになる。
イスラエルの首都テルアビブ近郊にあるベングリオン国際空港に3日、ネタニヤフ政権の司法制度改革に抗議するデモ隊が集結した。
AP通信によると、同空港周辺には数千人が押し寄せ、大混乱に発展したという。
ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相が提唱する司法制度改革案はイスラエルを建国史上最悪の国内危機に陥れ、分断を煽り、新たな亀裂を生じさせた。
デモ隊は同空港のメインターミナル前に陣取り、大通りを封鎖。到着ロビー内でも抗議した。同空港のウェブサイトによると、いくつかの便に遅れが生じたという。
一部のデモ参加者は警察の制止を振り切ってロビー内に突入し、ネタニヤフ氏に法案を破り捨てるよう要求した。
空港警察によると、このデモに参加した37人を公務執行妨害で逮捕したという。
APの取材に応じた男性は「独裁に反対!反対!反対!」と語った。「私たちは西側では考えられないネタニヤフのとんでもない政策に反対しているのです!」
ネタニヤフ氏と連立を組む超国家主義政党の指導者たちは野党が提示した妥協案を「時間の無駄」と呼び、法案をめぐる交渉は決裂した。
ネタニヤフ氏の改正案がそのまま成立すると、議会は過半数の賛成で最高裁の判決を覆せるようになる。
この改正案にはイスラエルの最重要同盟国である米国のバイデン(Joe Biden)大統領も強く反対し、海外で生活する多くのユダヤ人からも困惑の声が上がっている。
イスラエル空軍の予備役100人以上は先週、「政府がこの計画を推し進めるのであれば、招集には応じられない」とする書簡に署名した。