◎今年西岸地区でイスラエル軍に殺害されたパレスチナ人はこれで80人を超えた。
2022年5月13日/ヨルダン川西岸、イスラエル軍と交戦するパレスチナの武装勢力(Majdi Mohammed/AP通信)

パレスチナ自治政府は16日、イスラエル軍がヨルダン川西岸の都市ジェニン近郊で10代の少年を含むパレスチナ人4人を射殺したと発表した。

イスラエル軍の報道官は同日、ジェニン市内で治安部隊が活動していることを認め、過激派組織「イスラム聖戦」の指名手配犯2人とバールで兵士を攻撃しようとした男を殺害したと報告した。

ジェニンには武装勢力の拠点が複数あり、イスラエル軍の標的になっている。

パレスチナ保健省は16歳、28歳、29歳の男性が死亡したと発表。4人目の年齢と性別は明らかにしなかった。

ソーシャルメディアで共有された動画には、多くのパレスチナ人がイスラエル軍の車両を取り囲み、物を投げつけるところが映っていた。

軍報道官によると、兵士は武装勢力とみられる複数人と銃撃戦を繰り広げ、民間人からは投石攻撃を受けたという。兵士にケガはなかった。

今年西岸地区でイスラエル軍に殺害されたパレスチナ人はこれで80人を超えた。そのおよそ半数が武装勢力の戦闘員とみられる。東エルサレムと西岸地区で今年殺害されたイスラエル人は14人。

西岸地区の暴力事件数はここ数年で最悪となっている。イスラエル軍は昨年春にイスラエル人が相次いで殺害されたことを受け、取り締まりを強化した。

AP通信によると、今年西岸地区で殺害されたパレスチナ人のおよそ半分が過激派に所属していたという。しかし、イスラエル軍はそのほとんどが武装勢力の戦闘員と報告している。

イスラエルは1967年の第三次中東戦争で東エルサレムやヨルダン川西岸などを占領し、130以上の入植地を建設した。国際社会はこの占領を認めていない。

アフィリエイト広告
スポンサーリンク