イスラエル軍、ガザの食料援助求める群衆を砲撃、300人死傷

ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は17日午後の時点で5万5493人、負傷者は12万9320人となっている。
2025年6月17日/パレスチナ自治区、ガザ地区南部で活動するイスラエル軍の戦車部隊(ロイター通信)

イスラエル軍の戦車部隊が17日、パレスチナ・ガザ地区南部の食料配給所近くに集まった群衆を攻撃し、少なくとも59人が死亡、200人以上が負傷した。保健当局が明らかにした。

カタールの衛星テレビ局アルジャジーラによると、南部で活動するガザ人道財団(GHF)の食料配給所近くに集まった群衆が標的になったという。

ソーシャルメディアで共有された動画には南部ハンユニスの街路に散乱する約10体の遺体が映っていた。

イスラエル軍は配給所近くで砲撃があったことを確認し、経緯を調べていると声明を出した。

GHFは米国とイスラエルが主導し、5月27日に配給所の運営を開始。それ以来、この配給所付近で400人近くのパレスチナ人が殺害され、3000人以上が負傷している。

ロイター通信は目撃者の話しとして、「ハンユニスの配給所近くには数千人が集まっていた」と伝えている。

それによると、イスラエル軍の戦車は群衆に向けて少なくとも2発、砲弾を撃ち込んだという。

アルジャジーラは一部の市民が食料を積んだトラックに襲い掛かった後、砲撃が始まったと伝えている。

保健当局によると、この砲撃で少なくとも59人が死亡、221人が負傷し、そのうち少なくとも20人が重体だという。

5月末に配給が始まって以来、1日あたりの死者数としては最多となった。

イスラエル軍は声明で次のように述べた。「本日午前、ハンユニス地区で配給トラックが立ち往生した際、爆発があったことを確認した。混乱に至った経緯を調べている...」

GHFは16日遅くの声明で、4つの配給拠点から300万食以上を事故なく配給したと述べた。

GHFに対する国際的な批判が高まる中、イスラエルとイスラム組織ハマスの停戦協議は難航している。

イスラエル側はトランプ米政権のウィトコフ(Steve Witkoff)中東担当特使が提示した停戦案を支持。ハマスは一部変更を求めている。

ウィトコフ氏は▽60日間の停戦▽ハマスの人質56人(遺体含む)のうち28人の解放▽1200人以上のパレスチナ人受刑者の解放▽ガザ地区への人道支援物資の搬入などを提案している。

ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は17日午後の時点で5万5493人、負傷者は12万9320人となっている。

多くのボランティアが行方不明者を捜索している。建物の倒壊に巻き込まれるなどして行方不明になった市民は1万~1万4000人と推定されている。

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