イスラエル軍がレバノン南部を空爆、1人死亡、11人負傷

イスラエルと親イラン組織ヒズボラによる停戦協定は24年11月末に発効した。
2025年5月8日/レバノン南部、イスラエル軍の空爆を受けた建物(ロイター通信)

イスラエル軍が27日、レバノン南部の山岳地帯にあるヒズボラ拠点を空爆した。

イスラエル軍はこの空爆について、「ヒズボラの地下施設を標的としたもの」と説明した。

カタールの衛星テレビ局アルジャジーラによると、イスラエル軍はその後まもなく、南部の住宅地にあるアパートを空爆し、女性1人が死亡、11人が負傷したという。

ソーシャルメディアで共有された動画には最上階が大きく損壊した建物から黒煙が上がる様子が映っていた。

この空爆がアパート内の誰かを標的としたかどうかは不明である。

レバノンのアウン(Joseph Aoun)大統領とサラム(Nawaf Salam)首相は空爆を停戦違反と非難した。

イスラエルと親イラン組織ヒズボラによる停戦協定は24年11月末に発効した。

イスラエル軍は協定発効後も首都ベイルートや南部を定期的に攻撃。そのほとんどがヒズボラの戦闘員やその関連施設に対するものである。

イスラエルとヒズボラは停戦発効から60日以内にレバノン南部から部隊を撤退させ、その後、レバノン正規軍と国連レバノン暫定軍(UNIFIL)が南部を管理することで合意していた。

しかし、イスラエルはレバノン側が合意を守っていないと主張。撤退を拒否している。

国営レバノン通信は当局者の話しとして、イスラエル軍は山岳地帯の地下施設を破壊するために地中貫通型爆弾(バンカーバスター)を使ったと報じた。

またレバノン通信は南部への複数の空爆で4人が軽傷を負ったと伝えた。

イスラエル軍は声明で、「戦闘機が同地域のヒズボラ施設を攻撃、破壊した」と述べた。

ヒズボラはコメントを出していない。

レバノン政府は現在、大打撃を受けた南部地域の再建や南部国境沿いの治安維持に奔走している。世界銀行はレバノンの復興費用を110億ドル以上と見積もっている。

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