◎イスラエルではパレスチナ関連の事件が多発し、緊張が高まっている。
イスラエルの警察当局は2日、東エルサレムの旧市街にある教会でキリスト像を壊したとして、米国人観光客を逮捕した。
ソーシャルメディアで共有された動画には、台から引きずり下ろされ、ボロボロになったキリストの像が映っている。
地元警察によると、教会の警備員の協力で逮捕に至ったという。SNSの動画に映っている容疑者とみられる男は「エルサレムにキリスト像を置くな」と言っている。
AP通信によると、在イスラエル・米国大使館はこの事件に関する質問を受け付けなかったという。
地元メディアは関係者の話を引用し、「警察は容疑者の精神状態を評価している」と報じた。
イスラエルではパレスチナ関連の事件が多発し、緊張が高まっている。ヨルダン川西岸地区の難民キャンプに対するイスラエル軍の取り締まりでパレスチナ人10人が死亡。その翌日に東エルサレムのシナゴーグ前でパレスチナ人が銃を乱射し、市民7人が死亡した。
エルサレムの聖地を管理するカトリック教会CTS(Custodia Terrae Sanctae、聖地信託事業の意)は声明で、「この憎悪犯罪はイスラエルのキリスト教社会を標的とした攻撃のひとつである」と批判した。
CTSは法執行機関に対し、国内で蔓延している暴力を「力ではなく対話」で阻止するよう求めた。「暴力の応酬が憎悪犯罪を誘発しています...」
旧市街のすぐ近くにある修道院の神父はツイッターに「この事件は政府の政策を反映している」と投稿している。「ネタニヤフ政府が奨励・支援する、キリスト教を嫌う新しいイスラエルへようこそ!」
地元警察は声明で、「いかなる理由があろうと宗教施設に対する攻撃は容認されず、誰であろうと取り締まりの対象になる」と述べている。