イスラエル軍、シリア南部のハマスメンバーを攻撃

イスラエルは4日前にもシリア領内から2発の飛翔体が発射されたとして、暫定政府の武器保管庫を空爆していた。

イスラエルとシリアの緩衝地帯、ゴラン高原近く(AP通信)

イスラエル軍は8日、シリア南部で活動するパレスチナ・ガザ地区のイスラム組織ハマスのメンバーを攻撃したと発表した。

イスラエルは4日前にもシリア領内から2発の飛翔体が発射されたとして、暫定政府の武器保管庫を空爆していた。

ハマスは攻撃についてコメントしていない。

米国が仲介するガザ紛争の協議は難航している。

ハマスの指導者ハリル・アルハヤ(Khalil al-Hayya)氏は先週、米国が提案した停戦案を拒否したつもりはなく、「ガザ戦争の終結を確実にする変更を求めている」と明らかにしていた。

イスラエル政府はトランプ米政権のウィトコフ(Steve Witkoff)中東担当特使が提示した停戦案を支持している。

ウィトコフ氏は▽60日間の停戦▽ハマスの人質56人(遺体含む)のうち28人の解放▽1200人以上のパレスチナ人受刑者の解放▽ガザ地区への人道支援物資の搬入などを提案している。

イスラエル軍は4日、シリアから2発の飛翔体が発射された報復として、暫定政府の武器保管庫を空爆した。

暫定政府はイスラエル軍の攻撃により「多大な人的・物的損失」が発生したと述べたが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。

イスラエルのカッツ(Israel Katz)国防相はシャラア(Ahmed al-Sharaa、通称ジャウラニ)暫定大統領に責任を問うた。

暫定政府はこれに対し、飛翔体を確認できなかったと主張。「シリアは地域内のいかなる勢力にも脅威を及ぼさない」との立場を再確認した。

イスラエルのメディアはハマスの軍事部門「カッサム旅団」の元トップである故ムハンマド・デイフ(Muhammad Deif)氏を支持する勢力が飛翔体を発射したと報じている。

イスラエル軍によると、シリア領内から発射された2発の飛翔体は空き地に落下、爆発しなかったという。

イスラエル軍はアサド政権の崩壊に乗じてゴラン高原とシリア南部の間の緩衝地帯を制圧。この緩衝地帯は1974年の国連協定に基づき設定された。

両国は最近、紛争を回避するための直接交渉を開始した。

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