◎イスラエルとパレスチナの関係はこの1年で急速に悪化。西岸地区では暴力事件が急増している。
イスラエル軍は26日、ヨルダン川西岸地区のユダヤ人入植地に忍び込み、住民を刺そうとしたパレスチナ人男性が民間人に射殺されたと発表した。
軍報道官によると、この男はヘブロン近郊にある地区に徒歩で入り、ナイフを持って歩いていたところ、武装した民間人に射殺されたという。
パレスチナ保健省は「西岸地区のパレスチナ人居住区で生活する28歳の男性が射殺された」と報告している。
イスラエル軍が公開した防犯カメラの映像には、この男性が入植地のゲートの下にもぐりこみ、その後、ナイフを手に持って敷地内に入っていくところが映っていた。
軍報道官は声明の中で、「この地域に配備された部隊が安全を確保した」と述べているが、逮捕者が出たかどうかは明らかにしていない。
一方、パレスチナ通信(WAFA)は同日、西岸地区のラマラ近郊でユダヤ人がパレスチナ人農家を攻撃し、車5台に火を放ったと報じた。
この事件でパレスチナ人5人が殴られ、負傷したという。
イスラエルのメディアは「事態を収拾するためにイスラエル軍が派遣された」と伝えている。
イスラエルとパレスチナの関係はこの1年で急速に悪化。西岸地区では暴力事件が急増している。
イスラエルでもテルアビブや東エルサレムでパレスチナ人によるテロ攻撃が多発。イスラエル軍はこれに対応して、ほぼ毎晩、西岸地区を荒らしまわっている。
西岸地区と東エルサレムで今年殺害されたパレスチナ人は現時点で少なくとも113人。その多くがイスラエル軍に射殺された。両地域でパレスチナ人に殺害されたイスラエル市民は20人。