イスラエル軍、ガザ配給所で115人射殺、19人餓死

ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は20日午後の時点で5万8895人、負傷者は14万4854人となっている。
2025年7月20日/パレスチナ自治区、ガザ地区南部の食料配給所(Getty Images/AFP通信)

イスラエル軍が20日、パレスチナ・ガザ地区南部などへの攻撃を継続し、攻撃24時間の攻撃で少なくとも115人が死亡、数百人が負傷した。保健当局が明らかにした。

カタールの衛星テレビ局アルジャジーラによると、犠牲者たちは北部と南部の食料配給所付近でイスラエル兵に射殺されたという。

ガザ人道財団(GHF)は5月27日に南部の複数のエリアで配給所の運営を開始。それ以来、配給所とその周辺で死亡した市民は1000人近くに達した。

保健当局は20日、過去24時間で少なくとも19人が餓死したと明らかにした。

北部の食料配給所ではイスラエル兵が国連の車両を待つ人々に向けて発砲、少なくとも79人が死亡した。

南部ラファとハンユニスの配給所では36人が射殺された。

イスラエル軍は配給所での攻撃を認め、「北部に駐留する部隊に対する脅威を排除するために警告射撃を行った」と主張した。

またイスラエル軍は「ハマス陣営が死者数を多めに報告している」と述べた。

この停戦交渉は難航しており、立場の隔たりが埋まるかは不透明な情勢だ。

トランプ(Donald Trump)米大統領は今月初めにイスラエルが60日間の停戦に向けた条件に同意したと明らかにした。

イスラエルの政府高官は双方が60日間の停戦に合意した場合、イスラエルはその期間を利用して、「ハマスが武装解除することを条件とする恒久的な停戦」を提案する用意があるとしている。

イスラエル側は5月末にトランプ政権のウィトコフ(Steve Witkoff)中東担当特使が提示した停戦案を支持。ハマスは一部変更を求めていた。

ウィトコフ氏は▽60日間の停戦▽ハマスの人質56人(遺体含む)のうち28人の解放▽1200人以上のパレスチナ人受刑者の解放▽ガザ地区への人道支援物資の搬入などを提案していた。

トランプ氏はイスラエルが同意した停戦の条件を明らかにしておらず、ウィトコフ氏が示した案と同じかは不明である。

ハマスは過去の協議でも「恒久的な停戦」を求めてきた。

一方、ハマス壊滅を目指すイスラエルは「期間を定めた停戦」には応じる姿勢を示している。

ハマスの報道官は先週末、イスラエルとの停戦交渉について、「すべての人質(遺体含む)を解放し、恒久的な停戦合意を締結する用意があると繰り返し表明してきたが、イスラエルがこれを拒否している」と主張した。

アルジャジーラによると、60日間の停戦が成立した場合、ハマスは10人の人質と18人の遺体を段階的に返還することになる。

イスラエルはその見返りとして、国内の刑務所に拘留しているパレスチナ人を釈放する。

ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は20日午後の時点で5万8895人、負傷者は14万4854人となっている。

多くのボランティアが行方不明者を捜索している。建物の倒壊に巻き込まれるなどして行方不明になった市民は1万~1万4000人と推定されている。

国連世界食糧計画(WFP)は20日、イスラエル軍による配給所での攻撃を非難し、「飢餓に直面した犠牲者たちは、自分や家族を養うために食料を得ようとしただけである」と述べた。

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