◎ヨルダン川西岸の人権団体は「イスラエル兵2人が投降したパレスチナ人2人を至近距離から撃った」と主張している。
イスラエル軍は15日、ヨルダン川西岸地区でイスラエル兵がパレスチナ人2人を処刑しているように見える動画が拡散したことについて、調査を開始すると発表した。
ヨルダン川西岸の人権団体は「イスラエル兵2人が投降したパレスチナ人2人を至近距離から撃った」と主張している。
ソーシャルメディアで拡散した監視カメラの映像には、イスラエル兵とみられる2人がパレスチナ人2人を銃殺するところが映っていた。
人権団体によると、この映像はヨルダン川西岸北部の難民キャンプで12月8日に撮影されたもので、2台のイスラエル軍車両がパレスチナ人グループを追跡する様子も映っている。
イスラエル兵とみらえる男は赤い容器を持っているように見える無抵抗の男性の顔を撃ち、その後、地面に伏せていたもう1人の男性に何発も銃弾を撃ち込んだ。
人権団体は1人目の犠牲者を25歳男性、もう1人を36歳男性と発表している。
それによると、1人目の男性は即死、もう1人は近くの病院に搬送され、翌日死亡したという。
イスラエル軍の報道官は声明で、「不正行為があったかどうかを調査する」と表明。結果を軍当局および検察に通知するとした。
イスラエルがこのようなケースで兵士を起訴することはほとんどない。
人権団体によると、不正行為が認定されたとしても、罪に問われることは稀だという。
2016年に地面に倒れていたパレスチナ人を射殺した兵士は過失致死傷罪で懲役9カ月の有罪判決を受けたが、それ以降、このようなケースで実刑となった兵士は確認されていない。
ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は1万9000人近くに達した。イスラエル軍は100万人以上のパレスチナ人が避難するガザ南部も空爆し、ハマスを一掃するまで攻撃を続けると宣言している。