イスラエル財務相「EUの制裁に従う必要ない」銀行を非難

EUは昨年、ヨルダン川西岸地区のパレスチナ人に対する暴力行為を理由にイスラエルの入植者5人を制裁リストに追加した。
パレスチナ自治区、ヨルダン川西岸地区(Getty Images)

イスラエルのスモトリッチ(Bezalel Smotrich)財務相は5日、EUの制裁対象となっているユダヤ人入植者に対しサービスを提供することを拒否した同国の銀行を非難し、「入植者に補償金を支払わなければならない可能性がある」と警告した。

EUは昨年、ヨルダン川西岸地区のパレスチナ人に対する暴力行為を理由にイスラエルの入植者5人を制裁リストに追加した。

反イスラムを推進する極右のスモトリッチ氏は声明で、「他の入植者に対する制裁が検討されているとの情報がある」と明らかにした。

またスモトリッチ氏は「イスラエルの銀行はEUの制裁に従うべきではない」と主張。「これは外国の制裁導入を口実にしたイスラエルの顧客の放棄につながるため」と説明した。

さらに、スモトリッチ氏は銀行に対し、法的、経済的、国際的な力を活用して「不当な制裁」と戦うよう呼びかけた。「銀行の莫大な利益は顧客の利益のために適切なリスクを冒すことを可能にする・・・特に国家的な道義的不正に関する場合は...」

スモトリッチ氏は銀行が制裁に従い顧客に損害を与えた場合、影響を受けた顧客に多額の補償を支払うよう銀行に義務付ける法律を導入する意向も示した。

イスラエルは1967年の第三次中東戦争でヨルダン川西岸、ガザ地区、シナイ半島、ゴラン高原、イスラム教の聖地アルアクサ・モスクを含む東エルサレムを占領。2005年にガザ地区から軍とユダヤ人入植者を撤退させた。

ヨルダン川西岸では23年10月にガザ紛争が始まって以来、イスラエル軍とユダヤ人入植者による暴力事件が数千件報告されている。

SHARE: