イスラエル軍、ガザ全域を爆撃、50人死亡、飢餓リスク高まる
▽ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は27日午後の時点で5万208人、負傷者は11万3910人となっている。
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イスラエル軍が27日、パレスチナ・ガザ地区全域を空爆し、過去24時間で少なくとも50人が死亡、100人近くが負傷した。保健当局が明らかにした。
28日未明にはガザ市の難民キャンプで大きな爆発があり、カタールの衛星テレビ局アルジャジーラによると、少なくとも8人が死亡、ほとんどが女性と子供であった。
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は27日、ガザ地区に3週間以上物資を搬入できておらず、飢餓のリスクが劇的に高まっていると警告。イスラエルに対し、国境封鎖を解除し、食料、飲料水、医薬品の搬入を認めるよう求めた。
イスラエル政府はガザのイスラム組織ハマスがトランプ米政権のウィトコフ(Steve Witkoff)中東担当特使が提示した人質解放案を拒否したと非難、攻撃を正当化している。
一方、ハマスの幹部はイスラエル軍が地上侵攻を再開したにもかかわらず、「停戦交渉の扉は閉ざされていない」と述べ、「署名済みの停戦合意が存在する以上、新たな合意は必要ない」と主張している。
イスラエルは3週間ほど前にガザ国境を封鎖。停戦延長と人質の解放を求める米国の提案をハマスが受け入れない場合、「地獄を見せる」と警告してきた。
ガザ国境はそれ以来、封鎖されており、物資の搬入は完全に滞っている。
UNRWAはイスラエルによる兵糧攻めを国際法違反と非難。国際社会に対し、イスラエルに圧力をかけ、国境開放だけでなく、停戦交渉を進展させるよう求めてきた。
国連世界食糧計画(WFP)は27日、ガザ地区の食料備蓄が2週間ほどで底をつくと警告。多くのパレスチナ人が深刻な飢餓と栄養失調に直面していると述べ、恒久的な停戦を呼びかけた。
ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は27日午後の時点で5万208人、負傷者は11万3910人となっている。
多くのボランティアが行方不明者を捜索している。建物の倒壊に巻き込まれるなどして行方不明になった市民は1万~1万4000人と推定されている。
国連人道問題調整事務所(OCHA)によると、イスラエル軍の過去1週間の攻撃で、8人の援助スタッフが死亡したという。これにより、23年10月に紛争が始まって以来、ガザで殺害された人道支援スタッフの総数は399人となった。
OCHAは27日に公表した報告書の中で、「3月18~23日までの間に、イスラエル軍によって約14万2000人のパレスチナ人が自宅やその場しのぎの避難所から強制的に避難させられた」と述べた。
それによると、イスラエルの国境封鎖により、ガザ地区内での援助活動はほぼ行き詰まっているという。
3月18~25日の間にイスラエル軍の攻撃で死亡したパレスチナ人は792人、負傷者は1633人にのぼった。
イスラエル政府は停戦第1段階を4月20日まで延長するという米国の提案を支持。ハマスに人質を解放するよう圧力をかけてきた。
ガザには59人の捕虜が残っており、そのうち24人はまだ生きているとみられる。
双方は仲介国を通じていくつかの要求を提示している。
第2段階の交渉では▽イスラエル軍がガザ地区から完全に撤退すること▽パレスチナ人受刑者を解放する代わりに残りの人質を解放すること▽すべての軍事作戦と敵対行為を永久に停止することなどが協議される予定であった。
ハマスはウィトコフ氏が提示した案を受け入れるか検討しているとみられる。
ウィトコフ氏は先月、停戦第1段階を4月20日まで延長し、▽ハマスが最初の日に人質の半分を解放▽残りの人質は恒久的な停戦について合意に達したときに解放すると提案していた。