イスラエル軍、ガザ全域で地上作戦継続、140人死亡
ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は18日午後の時点で5万5637人、負傷者は12万9665人となっている。
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イスラエル軍が18日、パレスチナ・ガザ地区全域で地上作戦を継続し、過去24時間で少なくとも140人が死亡、数百人が負傷した。保健当局が明らかにした。
イスラエルとイランの紛争に世界の注目が集まる中、一部のパレスチナ人はこのままガザ地区が忘れ去られてしまうのではないと懸念している。
カタールの衛星テレビ局アルジャジーラによると、少なくとも40人がガザ地区南部の食料配給所近くで射殺されたという。
南部で活動するガザ人道財団(GHF)は米国とイスラエルが主導し、5月27日に配給所の運営を開始。それ以来、この配給所付近で450人近くのパレスチナ人が殺害され、3000人以上が負傷している。
医療関係者によると、南部ハンユニスの難民キャンプやガザ市内の住宅に対する空爆などで少なくとも26人が死亡したという。
さらにイスラエル軍の戦車部隊は中央ガザで援助トラックを待つ群衆に砲弾を撃ち込み、14人を殺害した。
イスラエル軍はこの砲撃について、「同地域は交戦地帯であり、一般市民の立ち入りを禁じていた」と説明。「部隊に影響を与えようとした不審者に対処した」と主張した。
GHFに対する国際的な批判が高まる中、イスラエルとイスラム組織ハマスの停戦協議は難航している。
イスラエル側はトランプ米政権のウィトコフ(Steve Witkoff)中東担当特使が提示した停戦案を支持。ハマスは一部変更を求めている。
ウィトコフ氏は▽60日間の停戦▽ハマスの人質56人(遺体含む)のうち28人の解放▽1200人以上のパレスチナ人受刑者の解放▽ガザ地区への人道支援物資の搬入などを提案している。
ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は18日午後の時点で5万5637人、負傷者は12万9665人となっている。
多くのボランティアが行方不明者を捜索している。建物の倒壊に巻き込まれるなどして行方不明になった市民は1万~1万4000人と推定されている。
南部ラファでロイター通信の取材に応じた男性は「ガザでは昼も夜も市民が虐殺されているが、イラン・イスラエル紛争に注目が集まっているため、最近、ガザに関するニュースはほとんどない」と語った。
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のラザリーニ(Philippe Lazzarini)事務局長は18日、X(旧ツイッター)への投稿で、GHFの配給システムを「恥ずべきもの」と非難。イスラエルに対し、ガザ国境を開放し、国連の援助物資を受け入れるよう改めて求めた。