◎イスラエルとパレスチナの間では暴力事件が相次いでおり、この数週間で数十人が死傷した。
パレスチナ自治政府は25日、ヨルダン川西岸地区で発生したイスラエル軍と民間人の衝突で16歳のパレスチナ人男性が死亡したと発表した。
保健省によると、この男性は頭に銃弾を受け、搬送先の病院で死亡が確認されたという。
地元メディアは政府当局者のコメントを引用し、「衝突はイスラエル軍の護衛を受けるユダヤ人礼拝者が西岸地区で礼拝を行っている最中に発生した」と報じている。
パレスチナ通信(WAFA)によると、この衝突でパレスチナ人少なくとも15人が負傷したという。
一方、イスラエル政府は24日、ガザ地区を実効支配するイスラム過激派組織ハマスによる議会議員の暗殺、兵士の誘拐、エルサレムの爆破を含む広範なテロ計画を阻止したと発表した。
イスラエル警察によると、治安部隊は議員暗殺などを計画したとされる東エルサレムのパレスチナ人男性5人を逮捕したという。
警察は声明の中で、「5人は先月のラマダンに合わせてアルアクサ・モスク周辺を不安定化させる攻撃を計画した」と述べている。
また警察は多くの観光客で賑わうエルサレム・ライトレール(鉄道)に対する攻撃を計画したテロリストも合わせて逮捕したと発表した。
警察はテロ計画がどの段階まで進んでいたかは明らかにしていない。
イスラエルとパレスチナの間では暴力事件が相次いでおり、この数週間で数十人が死傷した。イスラエル軍はヨルダン川西岸地区に複数の事件に関与した容疑者が潜伏しているとして、取り締まりを強化している。
イスラエルの超国家主義者は5月29日にエルサレム旧市街で行進と集会を行う予定である。
この行進は1967年の第三次中東戦争におけるイスラエルの東エルサレム占領を祝うものである。
イスラエルはこの戦争でガザ地区、シナイ半島、ヨルダン川西岸地区、ゴラン高原、アルアクサ・モスクを含む東エルサレムを占領した。それ以来、ガザ地区とヨルダン川西岸地区に追いやられた数百万人のパレスチナ人はみじめな生活を送っている。
イスラエルはエルサレムの併合を宣言しているが、パレスチナ自治政府は東エルサレムを首都にすると誓っている。
この地域の緊張はアルジャジーラの女性ジャーナリスト、シリーン・アブ・アクレ(Shireen Abu Aqleh)氏が銃撃を受け死亡したことでより一層高まった。
パレスチナはイスラエル軍がアクレ氏を射殺したと主張している。イスラエルはパレスチナに証拠品を提供するよう求めている。
パレスチナは独自調査の結果を国際刑事裁判所に送り、イスラエルを提訴する意向を示している。