◎イスラエル軍はイスラエル人を殺害したパレスチナ人武装勢力の自宅や拠点を容赦なく破壊している。
イスラエル軍は26日、ヨルダン川西岸地区で今年4月にイスラエル人警備員を殺害したとされるパレスチナ人武装勢力の自宅を爆破解体した。
軍報道官によると、爆破解体は無事成功し、パレスチナ人容疑者2人の自宅兼テロ拠点は粉々に吹き飛んだという。付近の住宅に被害が出たという報告は今のところ寄せられていない。
西岸地区で国境警備に当たっていたイスラエル人警備員は4月末に銃撃を受け死亡した。事件後、ガザ地区を実効支配するイスラム過激派組織ハマスが犯行声明を出していた。
イスラエルは実行犯とみられるパレスチナ人2人を逮捕、起訴している。
軍報道官によると、爆破解体に当たった兵士が周辺住民の激しい抵抗に遭い、石や火炎瓶を投げつけられたという。負傷者の有無は明らかにしていない。
イスラエル軍はイスラエル人を殺害したパレスチナ人武装勢力の自宅や拠点を容赦なく破壊している。
人権団体はこのやり方を「集団的懲罰(連座)」と呼び、厳しく非難している。
イスラエル軍は国内でイスラエル人計19人がパレスチナ人に殺害されたことを受け、数カ月前からヨルダン川西岸でほぼ毎日、厳しい取り締まりを行っている。
イスラエル軍は取り締まりの中で激しい抵抗に遭い、それがさらなる暴力に発展したこともある。人権団体によると、今年、同軍の取り締まりで死亡したパレスチナ人は60人を超えた。
イスラエルは1967年の第三次中東戦争でガザ地区、シナイ半島、ヨルダン川西岸地区、ゴラン高原、イスラム教の聖地アルアクサ・モスクを含む東エルサレムを占領。2005年にガザ地区から軍とユダヤ人入植者を撤退させた。
ガザ地区とヨルダン川西岸地区に追いやられたパレスチナ人数百万人はみじめな生活を送っている。