◎ヨルダン川西岸地区と東エルサレムで今年殺害されたパレスチナ人は130人を超えた。
パレスチナ保健省は5日、イスラエル軍がヨルダン川西岸地区で18歳のパレスチナ人男性を射殺したと発表した。
同省によると、この男性は胸を撃たれ、医療機関に搬送されたものの、死亡が確認されたという。この男性と一緒に行動していたもうひとりのパレスチナ人男性も重傷を負った。
イスラエル軍は声明で、「パレスチナの過激派がヨルダン川西岸地区をパトロールしていた軍用車に石を投げつけたため、応戦した」と述べている。
軍によると、この男性2人は投石紐を使用し、軍用車数台を破損させたという。
イスラエル軍は西岸地区で厳しい取り締まりを続けている。報道によると、西岸地区と東エルサレムで今年殺害されたパレスチナ人は130人を超えたという。
この暴力事件は政権移行の準備が進む中で発生した。
長年首相を務めたネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)元首相率いる政党リクードの政権復帰が決まったことで、多くのパレスチナ人が不満と懸念を表明している。
右派系メディアは「新政権はパレスチナの過激派をより厳しく取り締まる」と報じている。
イスラエルは1967年の第三次中東戦争でヨルダン川西岸などを占領し、130以上の入植地を建設した。その多くは集合住宅、ショッピングモール、工業地帯を備えている。
パレスチナ人はヨルダン川西岸をパレスチナ国家の主要部とすることを望んでいる。国際社会はイスラエルの占領を認めていない。