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ユダヤ人入植者がパレスチナ国籍の少年(16歳)射殺 ヨルダン川西岸地区

事件はベツレヘム東部の地区で発生。現地ではパレスチナ側とイスラエル側双方の暴力が続いており、入植者による攻撃が激増しているとの指摘がある。
2023年2月6日/ヨルダン川西岸地区、イスラエル軍の取り締まりに抗議するデモ(Nasser Nasser/AP通信)

パレスチナ・ヨルダン川西岸地区で16日、ユダヤ人入植者がパレスチナ国籍の少年(16歳)を射殺した。パレスチナ当局が明らかにした。

それによると、事件はベツレヘム東部の地区で発生。現地ではパレスチナ側とイスラエル側双方の暴力が続いており、入植者による攻撃が激増しているとの指摘がある。

ロイター通信は当局者の話しとして、「16日午後、別の10代少年の葬儀に参列していた16歳の少年がユダヤ人入植者に頭部を撃たれた」と伝えている。

この葬儀は前日イスラエル軍の銃撃で死亡した少年のもので、多くの地元住民が参列していた。

イスラエル当局は16日、入植者とみられるイスラエル市民がマスクをした若者らに向けて発砲したと説明。この人物の身柄を確保したという。

ヨルダン川西岸ではイスラエルの入植地拡大とそれに伴う入植者の暴力が長年問題となっている。国連や人権団体の報告では、近年特に入植者によるパレスチナ人への攻撃件数が増加しており、2025年10月には史上最多を更新した。国際社会はこの入植活動を国際法違反とみなしており、パレスチナ国家の将来に対する懸念を強めている。

イスラエル側は入植地およびそこに住むイスラエル人の安全を確保する必要があると主張し、歴史的・宗教的権利に基づくと説明しているものの、国際的な批判は根強い。また、米国を含む西側諸国も西岸地区での暴力を終結させるよう求めている。

今回の射殺事件はヨルダン川西岸で続く緊張状態を象徴する出来事となった。地域住民や人権団体は暴力のエスカレーションを非難し、国際社会に対して状況の改善を強く求めている。現在の政治・安全保障上の不安定さは、パレスチナ市民の日常生活に深刻な影響を与え続けている。

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