イスラエル軍、降伏したパレスチナ人2人を射殺 ヨルダン川西岸
2人は「降伏の意思」を示した後に射殺された可能性があるという。
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イスラエル軍が占領下のパレスチナ・ヨルダン川西岸地区ジェニンで武装勢力の拠点を摘発し、2人が死亡した。現地メディアが27日に報じた。
報道によると、2人は「降伏の意思」を示した後に射殺された可能性があるという。
SNSで共有された映像には、2人組が建物から出てきて、服と袖をまくり上げて無抵抗であることを示し、地面にうつ伏せに寝そべる姿が映っていた。
降伏を示すこの行動をとった直後、銃撃が始まり、2人はその場に倒れた。
現場にいたロイター通信の記者によると、2人が兵士に向けて何らかの行動を起こした様子は確認できなかったという。
パレスチナ保健省は声明で、26歳と37歳の男性が死亡したことを確認した。
イスラエル軍および警察も声明を発表。2人はジェニン地域のテロ組織に関連する容疑者であり、作戦に先立って何時間にもわたって降伏を促したと説明した。
発砲に至った経緯については、具体的な理由は示されておらず、ただ「射撃した」とだけ発表されており、現地当局が調査を開始すると付け加えた。
一方で、現地のパレスチナ側はこれを「無抵抗の市民に対する冷酷な処刑」と糾弾している。
ジェニンの首長は2人が処刑されたと非難し、関係者の責任を追及するよう訴えた。
今回の事案は2025年後半に入って北西岸各地で強まっているイスラエル軍の大規模作戦の一環とみられる。直前には別の都市で複数の家宅捜索や拘束が報じられている。
イスラエル側の発表によると、今回の作戦は「治安部隊や市民を標的とするテロ活動」に関わると見られる人物を拘束するためのものだったという。
イスラエルは1967年の第三次中東戦争でヨルダン川西岸、ガザ地区、シナイ半島、ゴラン高原、イスラム教の聖地アルアクサ・モスクを含む東エルサレムを占領。2005年にガザ地区から軍とユダヤ人入植者を撤退させた。
イスラエルは東側の旧市街を含むエルサレム全体を首都とみなしているが、国際社会はこれを認めていない。
東エルサレムは1948年の第一次中東戦争後にヨルダンの支配下に移ったものの、1968年以降は東西ともイスラエルの実効支配下に置かれている。
西岸地区と東エルサレムでは270万人のパレスチナ人の中に約70万人のユダヤ人入植者が居住している。
