イスラエル警察、UNRWA本部を強制捜査、パレスチナ難民への支援に影響も
UNRWAはパレスチナ難民に対して教育、医療、食料支援などを提供している国連の機関であり、設立以来、パレスチナ問題において重要な役割を担ってきた。
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イスラエル警察が8日、東エルサレムにあるUNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)の本部を強制捜査した。これは同機関がパレスチナ難民への支援を行う中、特定の政治活動を行っているとされる疑いに基づいている。捜査の結果、UNRWA施設内からいくつかの書類やその他物品が押収された。
UNRWAはパレスチナ難民に対して教育、医療、食料支援などを提供している国連の機関であり、設立以来、パレスチナ問題において重要な役割を担ってきた。
しかし、イスラエル当局は近年、UNRWAが反イスラエル的な活動に加担していると批判。その活動が政治的な影響を与えていると主張している。このような背景から、今回の捜査は国連機関に対する警察の介入として大きな注目を集めている。
UNRWAはこれに対して、イスラエルの捜査を「政治的な圧力」と非難。同機関の職員や施設がパレスチナ難民への支援を行うために従事していることを強調した。またUNRWAは国際社会にも対し、同機関の独立性と中立性を守る必要性を訴えた。
国連の高官もこの捜査が難民支援活動に与える影響を懸念している。
一方、イスラエル政府はUNRWAが一部のパレスチナ人グループとの接触を持ち、反イスラエル的な活動を助長していると主張。これに対して、UNRWAは過去にも政治的な中立性を保持していると繰り返し強調、難民への支援活動においては「常に公正を期している」と主張している。
UNRWAの本部が立地する東エルサレムはイスラエルとパレスチナの間で長年にわたり争われている地域であり、政治的な緊張が常に存在する。このため、UNRWAの活動が政治的に利用されることがあると指摘する声も多い。今回の捜査はパレスチナ問題における新たな緊張を引き起こす可能性があると予測されており、国際社会や関係者の間でその影響が注目されている。
