イスラエル国防相、ヒズボラに武装解除要求「応じない場合空爆」

イスラエル軍は5日、ベイルート南部郊外のヒズボラ拠点を空爆した。
2025年6月5日/レバノン、首都ベイルート南部、イスラエル軍の空爆で倒壊した建物(AP通信)

イスラエルのカッツ(Israel Katz)国防相は6日、レバノンの親イラン組織ヒズボラが武装解除しない場合、レバノンへの空爆を継続すると警告した。

カッツ氏は閣議後の声明で、「レバノンが武装解除しない限り、ベイルートに平穏は訪れない」と強調した。

またカッツ氏は「ヒズボラは合意を遵守しなければならず、ヒズボラが必要な措置を講じない場合、私たちは行動を継続し、強力な手段を用いる」と述べた。

イスラエル軍は5日、ベイルート南部郊外のヒズボラ拠点を空爆した。

カタールの衛星テレビ局アルジャジーラによると、イスラエル軍は同エリアの4地域に避難命令を出し、約90分後に空爆を開始したという。

この結果、多くの住民が避難を余儀なくされた。

イスラエル軍はこの空爆でヒズボラのドローン工場を破壊したと主張した。

またイスラエル軍は「ヒズボラがイスラエルとの新たな戦争に向け、ドローンの生産を拡大している」と指摘。昨年11月の停戦合意に違反していると述べた。

国営レバノン通信はイスラエル軍の戦闘機がベイルート南部を10回空爆したと報じた。死傷者の情報はない。

レバノン当局によると、少なくとも9棟の建物が全壊、数十棟が損壊したという。

イスラエルとヒズボラによる停戦協定は24年11月末に発効した。

イスラエル軍は協定発効後もベイルートや南部を定期的に攻撃。そのほとんどがヒズボラの戦闘員やその関連施設に対するものである。

イスラエルとヒズボラは停戦発効から60日以内にレバノン南部から部隊を撤退させ、その後、レバノン正規軍と国連レバノン暫定軍(UNIFIL)が南部を管理することで合意していた。

しかし、イスラエルはレバノン側が合意を守っていないと主張。撤退を拒否している。

レバノンのアウン(Joseph Aoun)大統領とサラム(Nawaf Salam)首相は空爆を停戦違反と非難した。

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