▽ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は23日午後の時点で4万7283人、負傷者は約11万1472人となっている。
イスラエル軍が23日、パレスチナ・ヨルダン川西岸地区のジェニン難民キャンプで対テロ作戦を拡大し、2人のパレスチナ人を殺害した。保健当局が明らかにした。
カタールの衛星テレビ局アルジャジーラによると、イスラエル軍はジェニン難民キャンプ内の複数の建物を空爆したという。
イスラエル軍はヨルダン川西岸に拠点を置くイスラム原理主義組織「イスラム聖戦」やその他過激派を一掃しようとしている。
この対テロ作戦は21日に本格化し、これまでに10数人が死亡したとされる。
イスラエル軍は23日の声明で、「ジェニンで一連の対テロ作戦を実行中であり、過激派の隠れ家を取り締まっている」と述べた。
ジェニン難民キャンプではパレスチナ自治政府の治安部隊とイスラム聖戦の軍事部門「アルクッズ旅団」による戦闘も確認されている。
一方、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は支援物資がガザ地区に運び込まれる中、100万人を超えるパレスチナ人が住まいを失い、路上や穴だらけのテントで寝泊まりしているとして、国際社会に復興に向けて支援を加速するよう促した。
ガザ停戦は19日に発効。それ以来、地区内でイスラエル軍の攻撃は確認されていない。
多くの市民が瓦礫の山と化した自宅に戻り、家族の遺品や使えそうな家具を探している。
イスラエル軍による封鎖解除後、大量の支援物資が搬入され、中心部の青空市場では久しぶりに新鮮な野菜や果物が出回っている。
ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は23日午後の時点で4万7283人、負傷者は約11万1472人となっている。
多くのボランティアが行方不明者の捜索を継続中だ。建物の倒壊に巻き込まれるなどして行方不明になっている市民は1万~2万人と推定されている。
<停戦協定の概要>
▽第1段階の停戦は1月19日(日)に発効。6週間続く予定。
▽ハマス側はパレスチナ人捕虜と引き換えに、33人のイスラエル人捕虜を段階的に解放する。
▽イスラエル軍は停戦の第1段階として、ガザ境界の700メートル地点まで撤退する。
▽イスラエルは終身刑250人を含む約2000人のパレスチナ人受刑者を段階的に釈放する。
▽イスラエルはガザ地区内で負傷した人々が治療を受けるために移動することを許可する。
▽イスラエルは停戦開始から7日後にガザ南部とエジプトを結ぶラファ国境検問所を開放する。
▽イスラエル軍はガザとエジプトの境界フィラデルフィ回廊からの撤退を開始し、第2段階で完全に撤退する。
▽停戦の第1段階中、毎日600台の援助トラックをガザ地区に送り、食料や医薬品などを難民キャンプなどに届ける。
▽恒久的な和平に向けた同盟国による間接協議は第1、2段階中継続される。
▽ハマスは残りのイスラエル人捕虜を第2段階以降に解放する。