イスラエルによるガザ封鎖60日目に突入、大飢饉迫る
▽ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は29日午後の時点で5万2365人、負傷者は11万7905人となっている。
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イスラエル軍が29日、パレスチナ・ガザ地区全域を空爆し、過去24時間で少なくとも38人が死亡、100人以上が負傷した。保健当局が明らかにした。
国連はイスラエルによるガザ封鎖が60日目を迎えたことについて、「大惨事」を食い止めるために、国際社会が強調して必要な行動を取るよう呼びかけている。
イスラエルは3月2日にガザ国境を封鎖。それ以来、物資の搬入は完全に滞っている。
この結果、地区内のパン屋は全て閉鎖。負傷者の治療に必要な医薬品の大半が枯渇する事態となっている。国連は「未曽有の大飢饉」が迫っているとして、イスラエルに封鎖を解除するよう呼びかけてきた。
ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は29日午後の時点で5万2365人、負傷者は11万7905人となっている。
多くのボランティアが行方不明者を捜索している。建物の倒壊に巻き込まれるなどして行方不明になった市民は1万~1万4000人と推定されている。
国連世界食糧計画(WFP)は先週末、ガザ地区内に蓄えていた食糧が底をついたと発表。イスラエルに対し、国境を解放し、ありったけの物資をガザに投入するよう呼びかけた。
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)はガザの現状を「飢餓地獄」と評し、イスラエルとイスラム組織ハマスに武器を置くよう促している。
イスラエルがハマスに人質を全員解放するよう求める中、3月2日に国境が封鎖されて以来、ガザには食料も水も医薬品も何も入っていない。
封鎖は60日目を迎え、国連はガザ全域が「本格的な飢餓状態」に陥っていると警告している。
ガザに残っている複数の援助団体も、援助が入らない場合、数日以内に配給を停止する可能性があるという。
ガザの保健当局は25日、「飢饉はもはや、迫り来る脅威ではなく、現実になりつつある」と警告した。それによると、飢えと栄養失調で少なくとも52人が死亡、うち50人が子供だったという。
また保健当局は6万5000人以上の子供が深刻な栄養失調に陥っていると指摘した。