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▽ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は17日午後の時点で4万8271人、負傷者は11万1693人となっている。
2025年2月17日/パレスチナ自治区、ガザ地区北部、屋外で暖を取る住民(ロイター通信)

イスラエル政府は17日、トランプ(Donald Trump)米大統領が提案したパレスチナ・ガザ地区再開発プロジェクトを推し進めるため、ガザからパレスチナ人を自発的に退去させるための政府機関を設立すると発表した。

これは国防省が主導し、パレスチナ人を「別のエリア」に自発的に退去させることを目的としている。

トランプ氏はガザ地区を米国主導で再開発し、パレスチナ人を他の場所に移住させた後、ガザ地区を占領、所有する用意があると表明。湾岸諸国の反発に直面している。

一方、イスラエル政府は20日にイスラム組織ハマスから人質4人の遺体を受け取る準備を進めている。

またイスラエル軍はレバノン南部からも部隊の一部を撤退させ始めたが、ヒズボラとの停戦協定で約束した完全撤退の期限を過ぎても、レバノン南部の5つの地点に留まると主張している。

イスラエルとハマスは22日に7回目の捕虜交換を行う予定だ。ハマスは人質6人を解放するとしている。

ハマスはこれまでのところ、19人の捕虜を解放。第1段階の停戦合意で約束に含まれていなかったタイ国籍の5人も解放している。

ハマスは第1段階で解放する33人のうち25人は生存していると発表している。

今週の捕虜交換が無事成功すれば、ガザに残る人質は4人(全員死亡と推定)のみとなる。

ガザ停戦は1月19日に発効。それ以来、地区内でイスラエル軍の大規模攻撃は確認されていないが、散発的な発砲が何件が報告されている。

多くの市民が瓦礫の山と化した自宅に戻り、家族の遺品や使えそうな家具を探している。

ガザ紛争におけるパレスチナ側の死者は17日午後の時点で4万8271人、負傷者は11万1693人となっている。

多くのボランティアが行方不明者を捜索している。建物の倒壊に巻き込まれるなどして行方不明になった市民は1万~1万4000人と推定されている。パレスチナ当局は紛争の推定死者数を6万1709人と報告、行方不明の約1万3500人が死亡したと推定している。

カタールの衛星テレビ局アルジャジーラによると、イスラエル軍のガザ国境警備により、テント20万張りとトラック数千台分の人道支援物資の搬入が滞っているという。

ガザ南部から北部に帰還した数万人は屋外やその場しのぎのテントで寝泊まりしている。国連によると、過酷な気象条件の中、子供を含む数千人が何かしらの感染症に罹患し、苦しんでいるという。

停戦合意にもかかわらず、支援物資の搬入は予定通りに進まず、国境検問所には長蛇の列ができている。

停戦協定の概要
▽第1段階の停戦は1月19日(日)に発効。6週間続く予定。

▽ハマス側はパレスチナ人捕虜と引き換えに、33人のイスラエル人捕虜を段階的に解放する。

▽イスラエル軍は停戦の第1段階として、ガザ境界の700メートル地点まで撤退する。

▽イスラエルは終身刑250人を含む約2000人のパレスチナ人受刑者を段階的に釈放する。

▽イスラエルはガザ地区内で負傷した人々が治療を受けるために移動することを許可する。

▽イスラエルは停戦開始から7日後にガザ南部とエジプトを結ぶラファ国境検問所を開放する。

▽イスラエル軍はガザとエジプトの境界フィラデルフィ回廊からの撤退を開始し、第2段階で完全に撤退する。

▽停戦の第1段階中、毎日600台の援助トラックをガザ地区に送り、食料や医薬品などを難民キャンプなどに届ける。

▽恒久的な和平に向けた同盟国による間接協議は第1、2段階中継続される。

▽ハマスは残りのイスラエル人捕虜を第2段階以降に解放する。

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