◎パレスチナ側の死者は3万5000人近くに。負傷者は8万人近くに達した。
イスラエル国防軍(IDF)軍が7日、パレスチナ・ガザ地区南部とエジプトを結ぶラファ国境検問所のパレスチナ側を制圧した。
ラファは昨年10月にこの紛争が始まって以来、パレスチナ側に支援を届ける拠点となってきた。
現地メディアによると、IDFの戦車部隊がラファ検問所とその周辺に展開されたという。このエリアでは6日夜から激しい銃撃戦が繰り広げられた。
IDFはもうひとつの主要検問所であるケレム・シャロームを封鎖。国連は7日、ガザに物資を送る人道回廊が閉ざされたと警告した。
ケレム・シャローム検問所では週末、イスラム組織ハマスによるロケット攻撃でイスラエル兵3人が死亡、数人が負傷している。
米ホワイトハウスは7日、「ケレム・シャローム検問所の封鎖は8日に解除されると聞いている」と明らかにした。
IDFはガザ南部ラファへの限定的な地上作戦を開始したとしている。これはこの地域に潜伏するハマスの戦闘員を排除し、武器・弾薬庫などを解体する取り組みのひとつだという。
イスラエル政府はこれに先立ち、対象地域の市民数万人に避難を開始するよう命じた。
ハマスは7日、IDFによるラファ制圧を非難したうえで、「進行中の停戦交渉を台無しにする恐れがある」と警告した。
ハマスは前日、仲介国のエジプトとカタールが提示した案を受け入れたと発表した。これは数週間の休戦と人質の一部開放を約束するものである。
イスラエルのネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は7日、ハマスが求める内容は「イスラエルの条件とは程遠い」とする一方、エジプトに代表団を送り、この問題について協議すると明らかにした。
またネタニヤフ氏はイスラエル代表団に対し、「人質の返還に必要な条件とイスラエルの安全保障を確保するために不可欠な要件について、断固とした姿勢で臨むよう指示した」と述べた。
イスラエルのガラント(Yoav Gallant)国防相は7日、ラファ検問所を制圧した部隊に対し、「ハマスが壊滅するまで、あるいは最初の人質が帰還するまで、我々はラファとその周辺で警戒任務にあたる」と表明した。
グテレス(António Guterres)国連事務総長は停戦交渉について、「ガザのパレスチナ人および人質とその家族の耐え難い苦しみを止めるために不可欠だ」と訴えた。
ガザ当局によると、パレスチナ側の死者は3万5000人近くに。負傷者は8万人近くに達したという。
ガザ南部には北部や中部の戦闘から逃れた市民など、推定120万~130万人が身を寄せている。