◎アラブ諸国は長年にわたり、イスラエルとの和平交渉の条件として、1967年の第三次中東戦争で占領した地域からの撤退と、東エルサレムを首都とするパレスチナ国家の建設を掲げてきた。
2021年11月8日/スーダン、首都ハルツーム、軍事政権に反対する抗議デモ(Getty Images/AFP通信)

イスラエル政府は2日、東アフリカのスーダンと和平協定を結ぶと発表した。

イスラエルは2020年、米国が仲介した「アブラハム合意」の一環としてモロッコ、バーレーン、スーダン、UAE(アラブ首長国連邦)と国交正常化協定を締結した。

イスラエルのコーエン(Eli Cohen)外相はスーダンの指導者であるブルハン(Abdel Fattah al-Burhan)将軍との会談で協定の最終案に合意したと発表。数カ月後にワシントンD.C.で協定に署名すると明らかにした。

アラブ連盟(Arab League)のメンバーはイスラエルとの関係正常化を拒否している。

しかし、エジプトは1979年、ヨルダンは1994年にアラブ諸国として初めてイスラエルと平和条約を結んだ。

イスラエルは1967年の第三次中東戦争で東エルサレムやヨルダン川西岸などを占領し、130以上の入植地を建設。国際社会はこの占領を認めておらず、アラブ諸国はこの戦争を受け、イスラエルとの断交を誓った。

スーダン外務省によると、ブルハン氏はコーエン氏との会談で農業、エネルギー、健康、水、教育分野、特に安全保障と軍事分野に重点を置いた協力強化について協議したという。

同省は和平協定には言及していない。

イスラエルと関係を正常化するアラブ諸国の数は増加しており、パレスチナ人から厳しく非難されている。

アラブ諸国は長年にわたり、イスラエルとの和平交渉の条件として、1967年の戦争で占領した地域からの撤退と、東エルサレムを首都とするパレスチナ国家の建設を掲げてきた。

コーエン氏は今回のスーダン訪問と軍事政権指導者との会談について、「米国の同意を得ている」と説明した。

またコーエン氏は「今回の訪問はアラブ・イスラム諸国との歴史的な和平協定の礎を築くものであり、スーダンとの和平協定は地域の安定を促進するだろう」と述べた。

さらにコーエン氏は、「スーダン当局は民主的な選挙で文民指導者を選ぶことに同意しており、イスラエルとの協定後、新たな文民政府が発足する予定だ」と強調した。

2022年5月29日/東エルサレムのアルアクサ・モスク(Ariel Schalit/AP通信)
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