イスラエル、ヨルダン川西岸を2つに分割へ、入植計画推し進める
イスラエル国防省は20日にこの入植計画を承認。東エルサレムとヨルダン川西岸の間に位置する約4.6平方マイルの敷地に3400戸の新規住宅を建設する予定だ。
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イスラエルによるパレスチナ・ヨルダン川西岸地区への新たなユダヤ人入植計画が勢いを増している。
反イスラムと反パレスチナを推進する極右スモトリッチ(Bezalel Smotrich)財務相は先週、ヨルダン川西岸を分割し、東エルサレムから完全に切り離すという、長期にわたって議論されてきた入植計画に着手すると表明した。
イスラエル国防省は20日にこの入植計画を承認。東エルサレムとヨルダン川西岸の間に位置する約4.6平方マイルの敷地に3400戸の新規住宅を建設する予定だ。
この地域はヨルダン川西岸の北部ラマラと南部ベツレヘムを結ぶ最後の地域の一つである。
この地域におけるユダヤ人入植計画は数十年にわたり議論されてきた。
反対派はこの計画をパレスチナ国家の建設における最大の障害とみなしている。
ここにユダヤ人入植地が建設されると、当該地域におけるパレスチナ人の移動が大きく制限されることになる。
イスラエル当局は入植地へのパレスチナ人の入域と移動を厳格に制限している。
国連はこの計画を国際法違反と批判。イギリスやフランスを含む多くの国々も反対しているが、イスラエルの最大の後ろ盾である米国はコメントしていない。
スモトリッチ氏は14日の記者会見で、「この計画を完遂させ、パレスチナ国家という考えを完全に消し去る」と語った。
ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相はこの計画についてコメントしていない。
一方、イスラエルの超国家主義政党「ユダヤの家」のベン・グヴィル(Itamar Ben Gvir)治安相はこの計画をトランプ(Donald Trump)米大統領のガザ地区開発プロジェクトになぞらえ、「ユダヤ人のための美しい住宅地を造ろう」と主張した。
トランプ氏は米国がガザ地区を所有・再開発し、中東のリビエラ(イタリア北西部の地中海に面する海岸、世界的な観光・保養地)にするという壮大なリゾート開発プロジェクトを提案している。
イスラエルは1967年の第三次中東戦争でヨルダン川西岸、ガザ地区、シナイ半島、ゴラン高原、イスラム教の聖地アルアクサ・モスクを含む東エルサレムを占領。2005年にガザ地区から軍とユダヤ人入植者を撤退させた。
イスラエルは東側の旧市街を含むエルサレム全体を首都とみなしているが、国際社会はこれを認めていない。
東エルサレムは1948年の第一次中東戦争後にヨルダンの支配下に移ったものの、1968年以降は東西ともイスラエルの実効支配下に置かれている。
西岸地区と東エルサレムでは270万人のパレスチナ人の中に約70万人のユダヤ人入植者が居住している。