◎両組織は米国をはじめとするいくつかの国でテロ組織に指定され、世界の主要金融システムから締め出されている。
2017年11月8日/レバノン南部、イスラム教シーア派組織ヒズボラの戦闘員(Mahmoud Zayyat/AFP通信/Getty Images)

イスラエル当局が宿敵イランの革命防衛隊とレバノンイスラム教シーア派組織ヒズボラの暗号通貨を押収した。政府が27日に明らかにした。

ガラント(Yoav Galant)国防相は声明で、「イラン革命防衛隊とヒズボラの資金調達に使われたとされる口座を凍結し、数百万ドル相当の暗号通貨を押収した」と発表した。

それによると、情報機関は仮想通貨の管理者に両組織が保有する通貨を引き渡すよう命じたという。

ガラント氏は声明の中で、「イラン革命防衛隊とヒズボラが運用する暗号通貨を取り締まったのは今回が初めて」と述べている。

両組織は米国をはじめとするいくつかの国でテロ組織に指定され、世界の主要金融システムから締め出されている。

ガラント氏は「対外諜報機関モサド、軍情報局、警察など、複数の機関がこの取り締まりと押収に関与した」としている。

イスラエルは以前にも、テロ資金を抑える取り組みの一環として、パレスチナ・ガザ地区を実行支配するイスラム過激派組織ハマスの暗号通貨を押収したことがある。

イランとレバノン両政府はイスラエルの発表に関するコメントを出していない。

ガラント氏は声明の中で、「イランとヒズボラは活動資金集めを暗号通貨に頼っている」と説明した。

ビットコインのような暗号通貨は追跡が困難であると認識されており、違法取引に利用されることがある。

世界中の誰もがビットコインのアカウントを作成し、名前や住所を示すことなく通貨を扱うことができるのだ。

米国の厳しい経済制裁に直面するイランのような一部の国は金融部門に対する規制を回避するために独自の暗号通貨を作り出そうとしている。

ガラント氏は「我が国の情報機関はブロックチェーン取引を追跡・特定できるツールや技術を開発しており、暗号通貨による不正資金の流れを追跡し、関与する者の資産を差し押さえることができる」と述べている。

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