◎この組織は1948年の中東戦争で故郷を負われたパレスチナ人を支援するために設立された。
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は17日、イスラエル軍がパレスチナ・ガザ地区の住民だけでなく、同組織の壊滅を目論んでいると主張した。
UNRWAのラザリニ(Philippe Lazzarini)事務局長はスイスメディアのインタビューで、「イスラエルはUNRWAを長期的な攻撃目標のひとつに掲げ、壊滅を目指している」と非難した。
この組織は1948年の中東戦争で故郷を負われたパレスチナ人を支援するために設立された。
ラザリニ氏はイスラエル軍がガザ地区のイスラム組織ハマスだけでなく、「パレスチナ人とUNRWAの壊滅を目論んでいる」と糾弾した。
ネタニヤフ政権の極右議員はUNRWAを「ハマスの下部組織」と呼び、ひとり残らず国外に追放するよう求めている。
ネタニヤフ政権は最近、「UNRWAがガザ地区におけるイスラエル軍の作戦を妨害したり、市民に対する避難命令を無視した」と告発していた。
ラザリニ氏はインタビューで中で、「イスラエル政府はUNRWAを消し去れば、パレスチナ難民の問題はきっぱり解決すると考えているようだ」と述べた。
パレスチナ難民とその帰還に関する問題は10年以上前に破綻した和平交渉において、最も重要なポイントであった。
イスラエルは難民の子孫のエルサレムへの帰還を認めるというパレスチナ自治政府の要求を拒否している。
米国、日本、ドイツ、イギリスなどの西側諸国は昨年10月7日のハマスによるイスラエルへの奇襲攻撃を支援したとされるUNRWAへの援助を一時的に停止している。
UNRWAはハマスとの関係を否定。10月7日の攻撃を支援したとされる職員を解雇し、調査を開始した
国連によると、10月に紛争が始まって以来、UNRWAの職員158人が戦闘に巻き込まれ死亡したという。
パレスチナ側の死者は3万人近くに達している。イスラエル軍は市民約140万人が身を寄せるガザ南部ラファへの地上侵攻を本格化させる予定だ。